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  • 生成AIの社内での利用を促進する取り組みをご紹介

    株式会社アスカコーポレーション(以下、ASCA)では、業務にすぐ使えるシンプルなChatGPTデスクトップアプリ「GenTA」を使って生成AIを全社導入しています。

    GenTAとは
    GenTA(Generative AI Technology Assistant)は、OpenAI社の開発した大規模言語モデルであるChatGPTをクイックに業務導入することを目指した、シンプルさと使いやすさを追求したデスクトップクライアントアプリです。あなたの有能なビジネスアシスタントとして、チームの業務効率化をサポートします。

    GenTA | ASCA Corporation (asca-co.com)
    GenTAの画面

    ChatGPTの素朴なギモンがいろいろ出てきます!

    ASCAでは、「GenTAサロン」という名前で開催している生成AI活用のワークショップがあります。
    その中では普段生成AIを業務で使用している際に出てきた「素朴なギモン」について社内の自然言語処理の研究者や、ツールの開発者に直接&気軽に質問をすることができます。

    たとえば、「処理が遅いがどうすれば良いのか」「日本語で質問をしたのに返答が英語で困っている」といった本当に素朴な困りごとから、「Excel形式のリストを生成AIで綺麗にすることはできないか」といった更なる活用についての質問も多くあり、活況を呈しています!

    GenTAで使えるBotの共有などもワークショップでは実施しています!

    ASCA内のワークショップで出てきた生成AI HowToも含め、今後も生成AI関係の情報発信を無料のWebinarで行いますので、是非ご参加いただけますと幸いです!

    生成AIアプリ「GenTA」のモニター応募はこちらから!

    https://www.asca-co.com/special/genta/

    過去のAIKO SciLingual Webinarのバックナンバーはこちらから

    https://note.asca-co.com/m/mfc7ae1f55f29

  • 【6月26日から28日】インターフェックスWeek 再生医療EXPOにブース出展いたします【Science Japan Office】

    株式会社アスカコーポレーション(以下、ASCA)はScience Japan Officeとして2024年6月26日(水)から28日(金)にかけて開催されるインターフェックスWeek / 再生医療EXPOにブース出展をいたします。

    インターフェックスWeek / 再生医療EXPOにお越しの際は、是非Scienceブースにもお立ち寄りください。

    インターフェックスWeek / 再生医療EXPOについて
    日時:2024年6月26日(水)~28日(金)
    会場:東京ビッグサイト
    公式サイト:https://www.interphex.jp/

    【公式】インターフェックスWeek/再生医療EXPO (interphex.jp)

    来場お申し込みは下記より

    https://www.interphex.jp/tokyo/ja-jp/visit.html

    Science Japan Officeについては下記より

    https://www.asca-co.com/business/science.html

    お問い合わせ

    https://www.asca-co.com/contact/index.html

    Science Japan Office/株式会社アスカコーポレーション
    担当:ランベッリ 律恵 rrambelli@aaas.org

  • With profound gratitude to everyone,

    Since our establishment in 1995, our company has been able to reach its 30th year this year, receiving unwavering support from all of you, with the motto “Gratitude for life, contributing to society”. We would like to take this opportunity to express our heartfelt gratitude.
    When we started, the advent of Windows 95 and the Internet brought about significant changes to society as a whole and the way we work. As we entered the 2000s, advances in data analysis technology led to progress in genome analysis, and basic research and medical technology around the world made remarkable progress. It was truly the dawn of a new era.
     
    Now, the advancement of artificial intelligence, including generative AI, is bringing about significant changes to our lives and the translation and writing services we provide. On the other hand, as business globalization progresses, what is required is a faster response. To solve this problem, we have utilized AI to achieve stable quality and shorter delivery times.
     
    With the mission of supporting the development of new drugs and medical technology, we have received various requests and opportunities from all of you over the past 30 years. We would like to express our deep gratitude for all of them.
     
    We will continue to refine our technology to improve the quality of our services and continue to evolve. And we will do our utmost to meet your expectations.
     
    “Thank you for 30 years, looking forward to the future”. We will continue to be a “bridge” for the globalization of new drug development and the promotion of the latest medical care.


    We have released a special 30th anniversary website.
    The concept of this site is “bridge”. We want to be a bridge between our partners, such as translators, and our clients. We also hope that this site will serve as a bridge from the past to the future.

    Chapter 1 is a page looking back on the past, titled “Thank You for 30 Years”.
    The following contents are introduced:

    1. Roundtable discussion articles by founding members

    2. A timeline and various episodes of overcoming difficulties

    3. Messages from employees

    4. Messages from partners

    5. Messages from clients

    https://www.asca-co.com/30th/

    They are only in Japanese. Pease translate it using your usual machine translation engine to read the content.

    Chapter 2 is about the role as a “bridge” in the present.
    Chapter 3 is an article looking towards the future.
    We plan to release these two chapters gradually from this summer onwards in Japanese.
    Please look forward to the next.


    We sincerely ask for your continued support in the future. 
      
    Eiko Ishioka
    President

  • 30周年特設サイト “過去を振り返る”(ありがとう30周年)のページを公開

    弊社この4月に30周年を迎え、この一年を記念yearとして様々な取り組みを行います。その一つが「特設サイト」の作成です。
    テーマは「架け橋」、「ありがとう30年、未来へよろしく」のメッセージをベースに、“過去を振り返る”(ありがとう30周年)、“現在を生きる”(「架け橋」の役割)、“未来を見据える”(「未来へよろしく」)の3章構成で、今回は、”過去を振り返る”のページを公開します。

    阪神大震災をきっかけに起業を決め、ITの進化と製薬業界のグローバル化の波に乗りながら、世界中の人々の生命と健康を守ることに貢献するとの信念で取り組んできた30年です。

    創業メンバー3人で対談しながら過去を振り返りました。
    年表をまとめながらエピソードも加えました。
    ASCAを支えてくれた社員・翻訳者からの提言やメッセージ、また、クライアントの皆様からも温かい励ましの声をいただきました。協力くださった皆様に改めて御礼申しあげます。

    対談の最後の言葉を改めて紹介します。
    「とにかく30年、いろんなことがありました。まさに、山あり谷あり。社員はもちろん、クライアント、医師、研究者、翻訳者さんなど、多くのパートナーの皆様に支えられてきました。本当にありがとうございました。これからは生成AIの登場が次のステージへのチャンスです。専門性と特化したAI技術を使い、どんな未来が来るかワクワクしています。これからのASCAにさらにご期待ください。」

    https://www.asca-co.com/30th/

    お祝いメッセージも受け付けています。

    https://www.asca-co.com/30th/message.html

    夏には”現在”、秋から冬に“未来”のページを公開していく予定です。
    ASCAの様々なチャレンジを楽しみにしておいてください。

    今回の公開に合わせ、生成AIのアプリモニターの募集(https://www.asca-co.com/special/genta/)、論文ライティングのeラーニング(https://one-stream.io/lp/8CipWI3eiQPCBCMMCpZKAapVGsr2)のコンテンツもご案内しています。合わせてお試しいただければ幸いです。

    石岡映子

    30周年サイトはこちら

    https://www.asca-co.com/30th/

  • AIKO SciLingual 4月アップデート情報

    株式会社アスカコーポレーション(以下、ASCA)が提供する医学・医薬に特化したAI翻訳プラットフォーム「AIKO SciLingual」が4月28日(日)にアップデートをリリースすることになりました。

    ChatGPTを使った翻訳エンジンの搭載

    AIKO SciLingualにはSciLingual、Google、Microsoftの3つの翻訳エンジンが搭載されていますが、今回ここに新たにChatGPTを使用した翻訳エンジンが追加されます。

    ChatGPTエンジン

    ChatGPTエンジンはプリセットされたプロンプトを選択していただく形で、場面に合わせた形での翻訳を実現していただくことができます。
    詳細はお問い合わせください。

    医学・医薬に特化したAI翻訳エンジン「SciLingual」

    Science+Bilingual=SciLingual

    ASCAが開発した医学・医薬に特化した日⇔英、日⇔中エンジンです。国立研究開発法人情報通信研究機構 (NICT) が開発したAI翻訳エンジンをもとに、臨床、非臨床などの医薬文書、医学論文などの独自に収集・翻訳したデータを基に、自社でエンジンをアダプテーションしました。

    対応するファイル/エンジンと言語 | AIKO SciLingual | ASCA Corporation (asca-co.com)

    汎用モデルの翻訳エンジン「Google Translate」「Microsoft Translator」

    ユーザーインターフェースの改良

    テキスト翻訳時の編集画面、フレーズ登録画面、用語登録画面や設定画面について、より使いやすく見やすいデザインへと変更されます。

    詳細はお問い合わせください

    https://www.asca-co.com/contact/index.html

    株式会社アスカコーポレーション
    AIソリューション担当: aiko.scilingual@asca-co.com

    AIKO SciLingualのトライアルはこちらからお申込みください

    https://www.asca-co.com/special/aiko/trial/

  • ChatGPT新アプリGenTA™:モニター募集のお知らせ

    このたびASCAは、ChatGPTをチームで活用するためのビジネスアシスタントアプリケーション、 GenTA(Generative AI Technology Assistant)を開発いたしました。今後このツールを皆様にもご利用いただくため、モニターとしてお試しいただける方を若干名募集いたします。このGenTAの特徴や機能などについて詳しく解説します。

    概要

    GenTAは、企業や組織がChatGPTを業務にスムーズに導入できるように設計されたデスクトップアプリケーションです。初期コストが不要で、従量制料金モデルを採用しているため、コスト効率に優れたソリューションです。また、インストールが簡単で、わかりやすいUIを備えていますので、ITスキルに自信がないユーザーでも安心して使用開始できます。

    コストパフォーマンス

    GenTAの最大のセールスポイントはそのコスト効率の良さです。通常、ChatGPTの導入にはユーザーごとの月額契約($20/月)が必要ですが、GenTAでは使用量に基づく従量制料金を採用しており、使用頻度の低いユーザーや不使用期間のコストが発生しない点が魅力です。さらに、GenTAのサブスクリプションはユーザー数に応じた料金体系が設定されており、多くのユーザーでご利用いただくほど割安になる設計となっています。

    機能性とユーザビリティ

    GenTAは、そのシンプルさと使いやすさが特徴です。基本的なChat機能に加えて、プロンプトのテンプレートを活用して定型業務をサポートするBot機能が装備されており、業務効率化を図ることができます。また、将来的には医薬品開発に特化した業務サポートBotやプロンプト入力支援機能など、さらに専門的な機能が追加される予定です。

    セキュリティ

    データのセキュリティは、企業にとって非常に重要です。ChatGPTを利用するとき、送信されたデータがOpenAIのサーバーに一時的に渡されますが、無料版のアカウントで使用するとそのデータは学習に用いられる恐れがあります。GenTAは、APIを通じてChatGPTと通信することで、保存または二次利用されないため、データのプライバシーが保護されます。これは、機密情報を扱う企業の皆様にとって大きな安心材料となるでしょう。

    サポートと研修

    GenTAは、導入後のサポートも充実しています。特に、ITに不慣れなユーザー向けにインストール、基本操作からBotの作成技術までカバーする研修が用意されています。これにより、チーム全員でGenTAを活用することが可能となり、導入効果が最大限に発揮されるでしょう。

    GenTAは、ChatGPTを業務に手軽に導入したい企業にとって非常に有用なツールです。コストパフォーマンス、使いやすさ、セキュリティの面で優れており、多様なニーズに応える機能が整っています。現時点ではシンプルさと使いやすさを追求したデザインとなっていますが、今後は新機能の追加によりヘビーユーザーの方々のUX改善にも取り組んでいきます。

    リリースに先立ちまして、冒頭でもご案内したとおり、ASCAはGenTAをモニター導入していただける方々を若干名募集しております。ご興味のある方は、以下のリンク先からお問い合わせください。

    https://www.asca-co.com/special/genta/contact/

    GenTAについて

    https://www.asca-co.com/special/genta/

  • "Congratulations on your 30th anniversary." from Mr. Bill Moran (Publisher, SCIENCE/AAAS )

    Congratulations on your 30th anniversary.

    Congratulations to ASCA on it’s 30th anniversary. ASCA has been serving as a bridge for Science/AAAS in Japan. It has been a mutually beneficial collaboration with a shared vision to help the Japanese research community. In the early days ASCA helped AAAS to gain awareness within the Japanese scientific community. Starting in 1997 ASCA translated the Science Japanese version and in 1999 started taking on marketing and support for AAAS members within Japan. Fast forward ASCA has taken on advertising and sponsorship projects along with support of our prize program in Japan. I would like to point out ASCA has helped with setting up the AAAS summit meeting in Japan which is a forum for international dialogue on the state of Japan science.

    Our goal is to listen and share ideas to help researchers and organizations better the Japanese scientific enterprise. ASCA shares this vision. I may not have known ASCA for 30 years but I am happy to have ASCA as a partner. Congratulations again on a very special 30th anniversary.

    Bill Moran
    Publisher, SCIENCE/AAAS

    with Science Japan Office Member @Tokyo

    https://www.aaas.org/

    https://www.asca-co.com/business/science.html

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    https://www.asca-co.com/30th/

  • 「30周年によせて」上平泰輔 様(株式会社大伸社 代表取締役CEO)

    30周年によせて

    Scienceがくれた出会い

    1996年、Science日本語版Webサイトプロジェクトを始めるにあたり、当時Science誌の日本窓口を担当していた方に、Scienceの翻訳ならば科学に強い適任の会社があると紹介頂いたのがお付き合いのきっかけでした。Science日本語版プロジェクトを通じて、石岡社長様や田村様から最先端科学ジャーナル翻訳への熱い想いをひしひしと感じたのをよく覚えています。その時期は、当社がデジタルマーケティングを通じて、医療分野のお客さまのマーケティング支援分野に進出しはじめていた頃でもあり、アスカコーポレーション様とはScienceをきっかけに、多くのお仕事をご一緒させて頂きました。
    全世界の医療ジャーナルニュースや、感染症、抗菌、循環器、腎臓など各種専門誌の日本語版Web化のお仕事など、製薬会社様向けのお仕事が多かったのですが、歴代のアスカコーポレーションの皆様には、どの分野においても高い専門知識に基づく精度の高い翻訳でお世話になっただけでなく、石岡社長様の企画提案を通じた営業面においても、幅広い顧客層に貢献されている姿勢に多くのことを学ばせて頂きました。
    お取引が進む中で、弊社打合せコーナーで石岡社長様から弊社若手スタッフが厳しく指導を受けていたのを見たのも良い思い出です。お客さまへの接し方など、弊社社員に対しても分け隔てなく愛情を持ってご指導を頂きました。

    新しい取り組みの中にも貫かれる経営姿勢

    また、常に前向きで新しいことに挑戦している会社様という印象をもっていましたが、前回の周年パーティーの折、AI翻訳にも既に本格的に取り組んでおられることに驚きました。それ以上に、AI翻訳の時代になっても翻訳家ファーストの姿勢を大事にされていることにも感心しました。顧客満足だけでなく、先ず社員の方やパートナーの方々の満足度をとても大事になさっている経営姿勢が、長きにわたり会社を成長させている秘訣ではないかと思いました。

    30周年を迎えられるに当たり、謹んでお祝い申し上げますと共に、益々の発展をお祈り申し上げます。

    株式会社大伸社 代表取締役CEO 上平泰輔

    https://www.daishinsha.co.jp/

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    https://www.asca-co.com/30th/

  • 「USACOとASCAは似ている?:製薬業界の未来のために」山川真一 様(ユサコ株式会社 代表取締役)

    USACOとASCAは似ている?:製薬業界の未来のために

    出会いは学会の展示会

    2000年前後のことでしょうか、ある医学会で弊社のブースを出していたら、その隣にScienceのブースが並んでいて、ブースにいた石岡さんが、「USACOさんって何の会社ですか?」って興味を示してくださいました。
    医学薬学系の海外書籍・ジャーナルを扱い、論文作成のツールなども販売していることを紹介すると、「ターゲットは同じです~」って。Scienceを日本でプロモーションされていると思いきや、よくよく聞くと、製薬メーカさんやアカデミアに翻訳やライティングサービスを提供している会社と聞き、これはシナジーがある、と思った最初の出会いでした。
    偶然ですが、その当時の両社のHPに二重らせんを使っていて、とてもテイストが似ていたんですよ(考えていることが一緒?)。

    トップジャーナルを日本語で紹介するプロジェクトの展開

    インフルエンザなどのいろいろな感染症に注目が集まりだした頃、大阪の製薬メーカにInfection Control & Hospital Epidemiologyの日本語版を作ってHPのキラーコンテンツの提案を一緒に始めましたよね。版権管理、コーディネーションなどを弊社でやって、トップの先生方に論文の選定と最後の監修、ASCAさんには翻訳と品質管理をお願いして、タイムリーに日本語で重要文献を届けるというものでした。
    残念ながら最初のプロジェクトは会社都合で中止にはなりましたが、その後、医療機器、感染対策ビジネスをされている会社などに、感染関連の様々なトップジャーナルを会社に合わせて提供しました。

    Journal of Clinical Oncology (JCO)プロジェクトは忘れられません。癌と言えば、という大御所の先生に編集長をお願いし、それぞれの分野のトップの先生にご協力を仰ぎながら最高レベルの翻訳コンテンツを提供していたと自負しています。大御所の先生に、病院の会議室でどなられた時だけはさすがにめげましたが。それでも最後はいい企画だったと惜しんでいただいたのは、仕事冥利に尽きる出来事でした。

    Scienceとの取り組み

    ScienceのPublisherにつないでもいただきました。弊社もサイトライセンスビジネスをしているものの、対応してもらえなかったり、要望が通らなかったりすることも多々ありながら、上層部と繋がっておくととても安心です。ASCAさんのScienceとの長い信頼関係はお金に変えられない価値です。厳しい出版業界の流れの中で、NPOとしてのScienceの存在は大きいと感じます。今後ももっと一緒に面白いことをやりたいといつも考えていますよ。

    同じような業界で、同じような人種の人たちと仕事しているので、いつも話が早く、共感できる話で盛り上がりますよね。製薬業界の未来を見据え、挑戦し、USACOだから、ASCAだからできるワクワクするサービスを展開したいと思います。これからも一緒に進化していきましょう。

    ユサコ株式会社 代表取締役 山川 真一

    https://www.usaco.co.jp/

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    https://www.asca-co.com/30th/

  • 「科学はもっと楽しい:“なぜなぜ小僧”とScience」櫻井治久様(コスモ・バイオ株式会社 顧問 農学博士)

    私自身、教育研究の現場に身を置いていたこともあり、研究を進める思考の楽しさを一人でも多くの研究者と共有したいという希望は、研究室を離れて以降もずっと持ち続けています。

    2003年、東京で開催された“ゲノム創薬”の会議でScience初の姉妹紙、Science STKE(現在のScience Signaling)のエディターであったNancy R. Gough氏の講演に聞き入りました。そこでNancy氏を紹介してくれたのが当時Scienceの日本での窓口をしていたASCAの石岡さんです。

    時まさに産業界、アカデミアもゲノム創薬を目指す機運が高まっていた頃です。講演会は活気がありました。This is it! だったのです。当時マーケティングの組織を立ち上げたばかりで、私には国外からのシグナル研究の成果や研究試薬の紹介が数多く届き、販売促進の責任も小さくありませんでした。実は怖いものもなかったようです。ホットな研究領域の議論の場を後援することで企業価値を高めることはアリです。石岡さん曰く、「日本でScience STKEはほとんど知られていない。Science誌の日本語版HPは既にできていたので、同じようにScience STKE日本語版HPを作ったら面白いかも」と具体案がすぐに出てきました。私にすればネットを活用する顧客戦略のための大きなチャレンジでしたが、他社にはまねができない、上司に文句を言わせないことができると信じました。石岡さんの提案に乗ることに躊躇はなかったですね。Science STKE日本語版HPは、Scienceとの交渉を経て12月には公開になったのです。短期間、低予算、姉妹紙でのこうしたプロジェクトの前例はなかったものの、石岡さんの熱意がScienceを動かしたのだと思います。今も続くプロジェクトです。

    https://www.cosmobio.co.jp/aaas_signal/

    この縁で作ったScienceのREPRINTも残っています。

    日本からの発表論文が増えていた頃ですが、Scienceは会員制総合学術誌なので、書店に置いてあるわけでもなく、会員以外はなかなか目に触れることがありません。Scienceとしては購読者を増やすために投稿者、掲載者を増やす施策が必要だったようです。先端の研究分野で価値ある成果を示し活躍する日本人研究者がたくさんいることを広く知らせたいという私たちの思いも共感いただけてできたのが「Scienceに載った日本人研究者」という冊子です。1年間にScienceに載った日本人の研究を、日本語で、顔写真、ラボの紹介と一緒に紹介しています。私たちは、このスポンサーも引き受け、毎年3月の再生医療学会から配布を始めるのが恒例になりました。Scienceは総合学術誌ですからトピックスの研究領域は多岐にわたるものです。研究者自身にとっては、自分の研究領域以外の議論は素人同様ちんぷんかんぷん。日本語にしても無意味だろうとも思いました。でも、そうではありません。執筆者自身のためではなく、様々な事象に興味を持つ子供たち、若者たちに、希望をもって興味を掘り下げに進む勇気を持ってもらうためにも、「Scienceに載った日本人研究者」の冊子を通して研究の楽しさを伝えたいのです。石や海、地層や星、化石や貝塚、魚や鳥、虫や植物、音や色、私たちを囲む様々な事象を、突いたりひっくり返したりする“なぜなぜ小僧”を子供時代で終わらせてはいけません。執筆者には、コラムとしてわかりやすい説明を加えてもらい、スーパーサイエンスハイスクールにも届けてもらっています。ぜひ使わせてほしい、という高校の先生たちの声ばかりではなく、執筆者からも、研究仲間の結束や切磋琢磨のためにもなっていると聞くと編纂の励みですね。2007年にスタートし、今年で17冊目を数え、その他姉妹紙、Science Signaling、Science Translational Medicine: STM、Science Immunologyの冊子発行にも協力しています。そういえば、2008年2月には山中伸弥先生たちのiPS細胞の論文翻訳のリプリントの翻訳プロジェクトにも協力しました。3月の再生医療学会で配布したときの反響は忘れられません。

    研究を進める思考の楽しさを研究者と共有したいという願いは、コスモ・バイオの会社風土にも刷り込まれてきました。研究成果の表舞台に立つ研究者たちから距離をあけて立ち、微笑みと拍手を送るサポートチームが出来ています。ASCAさんの30年のうちの20年を協働して、Scienceを冠に、いろんな協賛や協業をさせていただいてきましたが、研究者にも「Scienceと言えばコスモ・バイオ」が刷り込まれてきているようです。コスモ・バイオ、ASCA、Science、研究者。大切な仲間ですね。感謝しかありません。

    近年、日本の基礎研究が低迷しているという話をよく耳にします。基礎研究の地味な検証の成果が、科学技術の進歩に欠かせないし、知恵の礎となって、ヒトが生きる時間を支え、より豊かな未来を創造することにつながると信じています。これからも基礎研究を支え続けましょう。

    コスモ・バイオ株式会社
    顧問 農学博士
    櫻井治久

    https://www.cosmobio.co.jp/

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    https://www.asca-co.com/30th/