投稿者: demo

  • Science Update 22 December, 2023

    サイエンス誌(Science)に掲載された日本人著者からの日本語タイトルとコメントを紹介します

    Glia transmit negative valence information during aversive learning in Drosophila
    グリア細胞はショウジョウバエの回避学習において負の情報の伝達に関与している

    SCIENCE 22 December, 2023, Vol 382, Issue 6677

    情報伝達機構の維持管理と修飾を担うグリア細胞の新たな機能として、グリア細胞による嫌悪感覚情報の記憶中枢への伝達をショウジョウバエで見出しました。さらにグリア細胞からの嫌悪感覚情報がNMDA受容体を介して伝達されることで特定の神経細胞に記憶情報がコードされる仕組みも明らかになりました。

    東京都医学総合研究所 脳・神経科学研究分野
    齊藤 実

    https://www.science.org/doi/10.1126/science.adf7429

  • ASCA Bulletinの歩き方

    ASCA Bulletinとは?
    ASCA Bulletinとは、医薬翻訳/メディカルライティング/AI翻訳/Science日本代理店を務める株式会社アスカコーポレーション(以下、ASCA)の公式note、および広報誌(休刊中)のことです。

    ASCA Bulletin | 医薬翻訳のアスカコーポレーション (asca-co.com)

    本記事では、株式会社アスカコーポレーション(以下、ASCA)の公式noteの各マガジンについてご紹介いたします。

    ASCAのマスコットキャラクター
    シジュウカラの「AIKO」

    AI翻訳サービスについて

    ASCAは従来の翻訳サービス(人間の翻訳者による翻訳)に加え、近年はAI翻訳についても力を入れています。下記2つのマガジンで、ASCAのAI関係の取り組みについてご紹介しています。

    医学・医薬特化のAI翻訳プラットフォーム「AIKO SciLingual」

    「AIKO SciLingual Forum」-AI関係の取り組み全般の最新情報-

    AIKO SciLingual Forumでは、AI翻訳やChatGPTなどのAIに関するASCAの取り組みを紹介しています。AI関係の最新情報を知りたい場合は、このマガジンを見ればバッチリです!

    https://note.asca-co.com/m/m750a0ed88ad7

    「AIKO SciLingual Webinar」-AI関係のWebinarの告知-

    AIKO SciLingual WebinarのマガジンはASCAのAI翻訳関係のWebinarの情報をまとめたマガジンです。AI関係のWebinar情報のみ追いかけたい方は、是非こちらをマガジン登録してみてください。

    https://note.asca-co.com/m/mfc7ae1f55f29

    AIソリューションの紹介は、下記の通りHPでも掲載しています。

    https://www.asca-co.com/business/machine_translation.html


    サイエンス誌について

    ASCAは米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science: AAAS)から委託を受け、日本におけるScienceの代理店、事務局の業務を行っています。

    Science誌

    「Scienceサービス紹介」-全世界に向けたソリューションの紹介-

    全世界に向けて、Science誌を使った広告/求人/セミナーなどの各種サービスについて紹介しています。

    https://note.asca-co.com/m/m078ac111911e

    「Science Café」-Science掲載の研究者が登壇のWebinarの告知-

    Science CaféではScience及び姉妹誌にその論文が掲載された日本人研究者の方を講師にお招きし、研究内容に加えて、発見・成果に至った経緯やマインドセットなどについてもご紹介いただく無料のWebinarです。

    https://note.asca-co.com/m/mf0d973e156e9

    「Science Update」-Science誌掲載の日本人研究者の最新情報-

    サイエンス誌(Science)に掲載された日本人著者からの日本語タイトルとコメントを紹介します。

    https://note.asca-co.com/m/m33eda82c3a71

    ScienceのソリューションについてはHPでも紹介しております。

    https://www.asca-co.com/business/science.html


    ASCA Academyについて

    ASCA Academyはライティング講座やパートナー勉強会など、ASCAが主催する講座について紹介するマガジンです。特に、ライティング講座は実力のある講師陣による実践的なメディカルライティングの講座になっております。
    是非最新情報をご確認ください。

    https://note.asca-co.com/m/ma91e9958a03a


    採用関係について

    ASCAでは、社員やパートナーをいつでも大募集しています。
    是非、ASCAと共に成長したいという方は下記マガジンもご覧いただけますと幸いです。

    「ASCA Partner」-パートナーに関係する情報発信-

    https://note.asca-co.com/m/m2c4f1b7b1401

    「ASCA Recruit」-ASCAの社員についての情報発信-

    https://note.asca-co.com/m/mdfea9aacf7ba

    募集要項・求められるスキルなど

    翻訳者・チェッカー・メディカルライター

    https://www.asca-co.com/recruit/partner.html

    社員

    https://www.asca-co.com/recruit/index.html


    ASCAの情報はHPやその他WEB媒体でも発信しています!

    HP

    https://www.asca-co.com/

    X(旧Twitter)

    ASCA Corporation(@ASCACorp)さん / X (twitter.com)

    LinkedIn

    https://www.linkedin.com/company/asca-corporation

    Bluesky

    https://bsky.app/profile/ascacorp.bsky.social

  • 第7回自動翻訳シンポジウムに出展いたします。

    株式会社アスカコーポレーション(以下、ASCA)は、令和6年(2024年)2月22日(木)に品川インターシティホールにて開催される第7回自動翻訳シンポジウムに「医学・医薬特化型AI翻訳プラットフォーム “AIKO SciLingual”」というタイトルで出展いたします

    皆様にASCAブースにお越しいただけることを心よりお待ちしております。

    開催日時:2024年2月22日(木) 12:45-17:00
    開催場所:品川インターシティホール(〒108-0075 東京都港区港南2丁目15−4(JR山手線・京浜東北線・横須賀線・総武本線・東海道本線「品川駅」
    港南口より徒歩5分))
    詳細  :下記HPよりご確認ください。

    https://jido-hon-yaku.nict.go.jp/

    ASCAのAI翻訳に関する取り組みは下記よりご覧ください。

    https://www.asca-co.com/business/machine_translation.html

    https://www.asca-co.com/special/aiko/

    https://note.asca-co.com/n/n9e22fc312d16

  • Breakthrough of the Year 2023:肥満を治療するGLP-1受容体作動薬の開発

    年末恒例、Scienceの2023年のBreakthrough of the Year(Scienceが選ぶ、最も画期的な研究と成果)が発表された。トップは、Obesity meets its match: Blockbuster weight loss drugs show promise for a wider range of health benefits(肥満、その対抗手段 大ヒットの減量薬が、より広範な健康効果を約束する)。

    記事によると、肥満は個人の闘いと公衆衛生の危機として展開される。米国では約70%の成人が過体重に影響を受けており、欧州でも半数以上が影響を受けている。肥満に対する偏見は圧倒的で、そのリスクは命に関わるものであり、体格指数が少なくとも30で定義される肥満は、2型糖尿病、心臓病、関節炎、脂肪肝病、特定のがんを引き起こすと考えられている。
    しかしながら、肥満治療のための薬物は過去に悲惨な結果をもたらしてきた。これは、体重を減らすための社会的圧力と、過体重は意志力の弱さを反映しているという広範な信念とが絡み合っている。1940年代から女性に対して市場投入されたアンフェタミンと利尿剤が詰まった「レインボーダイエットピル」から、心臓や肺の病状を引き起こした1990年代のフェンフェンの興隆と衰退まで、安全で成功した減量薬を見つけるための歴史は失敗を繰り返してきた。なので、今回開発された「GLP-1アゴニスト」は肥満関連の健康問題に有望である、と。薬剤を開発したノボノルディスク社の市場価値は、本社があるデンマークのGDPを超えるとも。イーライリリー社の新しい薬剤も注目されている。
    肥満は意志の弱さではなく生活習慣病として治療できるし、ほかの疾患の治療に応用が可能だというから、画期的な薬剤である。今回のトップに選ばれるにふさわしい。

    その他、
    ・Earth’s carbon pump is slowing(地球の重要な炭素ポンプが減速している)、
    ・Hunt for natural hydrogen heats up(地表下の天然水素源の発見)
    ・The AI weather forecaster arrives (AIを活用した天気予報の開発)
    ・New hope against malaria(新しいマラリアワクチン)
    ・At last, modest headway against Alzheimer’s(アルツハイマー病患者の脳の神経変性を遅らせる可能性がある抗体療法の進歩)
    ・Early peopling of the Americas steps closer to acceptance(ニューメキシコ州の古代湖で発見された人類の足跡が非常に古いものであることを確認)
    ・The din of giant black hole mergers overheard大規模なブラックホール合体からの星間信号
    ・Early-career scientists rise up(世界中の研究機関における若手科学者の処遇における体系的な変化の推進)
    ・The dawn of exascale computing(多くの科学分野に前例のない計算能力をもたらすことが期待されるエクサスケール コンピューティングの導入)
    が発表され、その他、BREAKDOWNやVIDEOなども注目してほしい。

    今回の日本語訳はAIを使ってのもので、正確には以下のサイトで確認してほしい。

    https://www.science.org/content/article/breakthrough-of-the-year-2023

    また、正式な日本語訳は1月に出るのでしばらく待ってほしい。

    ブレークスルー・オブ・ザ・イヤー(Breakthrough of the Year)は、サイエンス誌がその年の最も発展的な研究に与える賞である。1989年に始まった「今年の分子」(Molecule of the Year)に由来し、『タイム』誌のパーソン・オブ・ザ・イヤーに着想を得て、1998年にBreakthrough of the Yearと改名された。ブレークスルー・オブ・ザ・イヤーは、科学の世界で最も際立った成果の1つと広く認識されている。(Wikipediaより)

    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC

  • 年末のあいさつ

    平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
    年末のご挨拶を申し上げます。

    12月29日(金)~1月4日(木)は、年末年始のため休業期間とさせていただきます。
    年内の最終営業日は、12月28日(金)です。
    1月5日(金)からは通常通り営業いたしますので、どうぞ宜しくお願いします。

    今年度、皆様からの期待にお応えするため、AIを取り入れ多くのチャレンジをしました。来年は、さらに価値あるサービスを目指して尽力するつもりです。

    新しい一年が皆様にとって健康と幸福に満ちたものでありますよう願っております。
    来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

    良いお年をお迎えください。

    2023年12月20日

    株式会社アスカコーポレーション
    代表取締役 石岡映子

    お問合せ

    https://www.asca-co.com/contact/index.html

  • リサーチインフォグラフィック 作成のご案内

    近年、リサーチインフォグラフィックは、論文の要点を視覚的に表現することで、読者に研究内容を効率的に伝える方法として注目されています。論文の読者は、著者と同じ専門分野の知識を持っているとは限りません。インフォグラフィックを作成することで、読者の興味を引き、理解を促進できることから、インフォグラフィックの作成を求めるジャーナルも増加しています。

    弊社では、サイエンス専門のグラフィックデザイナーが、論文を高品質で洗練されたビジュアルでインフォグラフィックに仕上げます。

    リサーチインフォグラフィック :200,000円~(税抜)

    上記以外のサービスとして、グラフィカルアブストラクト、ビジュアルサマリー、Plain Language Summaryにも対応しております。
    詳細は、お気軽に弊社担当者までお問合せください。

    お問合せ先

    https://www.asca-co.com/contact/index.html

  • 今年1年の感謝を込めて、オンライン忘年会~Beyond the border~ 開催しました!

    12月12日(火)11:00~13:00、「Beyond the border-みんなで繋がるASCA
    忘年会-」をテーマに、オンライン忘年会を開催しました。
     
    64名のパートナーの皆様にご参加いただき、講演あり、ブレイクアウトセッションあり、ピアノ演奏ありの盛沢山な2時間はあっという間でした。遠方からも多くの方にご参加いただき、物理的な距離を越えて心を通わせることができ、とても価値のある有意義な時間を過ごしていただけたと思います。

    講演「機械翻訳と翻訳者のハッピーな共存を目指して」

    関西大学 阪本章子先生による講演では、翻訳者がどうすれば機械翻訳と共存し、ハッピーでいられるか、様々な観点からお話いただきました。ASCAのパートナーさんにも回答いただき、先生の海外研究の結果との比較は大変
    興味深い内容でした。
     

    Beyond the MT

    Beyond the MTでは、ASCAの機械翻訳の活用推進のための取り組みとして、ASCA Pro Translator Expressの開発や、今後のステップとしてChatGPTの活用を紹介しました。
    「人間の翻訳者の役割は依然として重要で、特に複雑で高度な翻訳作業に
    おいては不可欠です。将来的にAI技術がさらに進化するとしても、人間とAIが協力し合う形が最も効果的なアプローチと言えるでしょう。」という
    メッセージは印象的でした。
     

    ブレイクアウトセッション

    ブレイクアウトセッションでは、5つのテーマでオンライン上の小部屋に
    分かれましたので、パートナーの皆さんと直接お話できるよい機会となり
    ました。あっという間に時間がたってしまい、話し足りなかったかも
    しれません。

    はせがわ ふさこ様によるピアノ演奏

    ソロピアニストやアレンジャーとして幅広く活躍されている、はせがわ
    ふさこ様には、朝ドラ「ブギウギ」のテーマ曲“ハッピー☆ブギ”や、今の
    時期にぴったりなジョン・レノンの“Happy Xmas”など全5曲の素敵な生演奏をいただき、幸せな気分になりました。
     
     
    参加くださいましたパートナーの皆さん、支援くださった社員の皆さん、
    リーダーの皆さん、ありがとうございました。
    何よりも素敵な忘年会を企画し、運営してくれた事務局のみなさん、お疲れさまでした。
     
    1年間の感謝の気持ちとともに、未知なる明日への希望も伝えられたと思います。
     
    来週のランチ忘年会では、パートナーの皆さんとリアルでお会いすることができるので、今からとても楽しみです。

  • 【終了しました】第37回 Science Café がん免疫療法の治療抵抗性機序の解明と新規治療法開発に向けて

    Science Cafeの概要

    Science Café はScienceまたは姉妹誌に研究論文等投稿が掲載された日本研究者の方にZoom Webinarによるライブ配信にて講演して頂くイベントです。

    研究内容の解説に加え、研究にまつわるエピソード、社会に与える影響や提言を交えてお話して頂きます。Q&Aセッションも設けております。参加は無料です。

    日  時:2024年1月23日(火)14:00~14:40(予定)
    演  題:がん免疫療法の治療抵抗性機序の解明と新規治療法開発に向けて
    演  者:西川 博嘉 先生
         名古屋大学大学院医学系研究科 微生物・免疫学講座
                      分子細胞免疫学 教授
                      国立がん研究センター 研究所 腫瘍免疫研究分野長、
                      先端医療開発センター 免疫TR分野長

    概要
    私たちの身体に備わっている免疫系を活性化するがん免疫療法が保険適応されて約10年が経ちました。治療効果が認められやすい症例とそうでない症例が存在することや、免疫関連の特徴的な有害事象が見られるといったことが明らかになってきています。本研究では現在臨床現場で広く用いられているPD-1/PD-L1阻害剤の抵抗性機序として新たに明らかになったがん細胞側の因子とその克服に向けた免疫抑制性の制御性T細胞標的治療法開発の基盤となる研究成果をお話し致します。

    掲載号:Science Immunology 2022年10月7日号
    “BATF epigenetically and transcriptionally controls the activation program of regulatory T cells in human tumors”
    SCIENCE IMMUNOLOGY 7 Oct 2022 Vol 7, Issue 76 DOI: 10.1126/sciimmunol.abk0957

    【名古屋大学 研究者総覧】

    https://profs.provost.nagoya-u.ac.jp/html/100009112_ja.html

    【国立がん研究センター 研究者メンバー】

    https://www.ncc.go.jp/jp/ri/division/cancer_immunology/member/nishikawa.html


    Sponsored by:Noster株式会社

    https://www.noster.inc/jp/


    Science Cafeのお申込み

    以下のURLよりお申込みください。

    https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_oNf3xy3KSES5YANHPJK-Sg

    ご登録いただく際、名、姓の順での記載となっておりますのでご注意下さい。また、確認メールにおいて敬称が省略される場合がありますことを予めご了承ください。
    *定員になり次第、締め切りよりも前に締め切る場合がございますので、予めご了承ください。

    お問合せ先
    Science Japan Office  担当:ランベッリ律恵
    E-mail: science_cafe_japan@asca-co.com


    Science Update

    サイエンス誌(Science)に掲載された日本人著者からの日本語タイトルとコメントを紹介します。

    https://note.asca-co.com/m/m33eda82c3a71


    Science Japan Office

    Science Japan Officeからのお知らせを掲載します

    https://note.asca-co.com/m/m078ac111911e

  • 【1/23(火)】医薬業界にChatGPT翻訳は有用か?【アンコール講演】

    生成AIの一つであるChatGPTが翻訳業界でも注目されています。一方、医薬業界では、専門用語やさまざまな規制の理解を含む精度が求められ、「ChatGPTでは高精度の翻訳が難しいのではないか」という意見もあります。
    本セミナーでは、『ChatGPT翻訳術』著者の山田優教授を迎え、ChatGPTが翻訳業務にどのような影響を与え、貢献できるのかを解説。ChatGPTの活用について迷っている方にお勧めです。
    ※本講演は2023年10月24日(水)に開催したWebinarの録画講演になります。

    開催概要

    日時:2024年1月23日(火) 12:00-13:00
    場所:Zoom Webinar (お申込みは下記)
    参加費:無料
    お申込URL:

    https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_Xrug7pY5SNSU-Q7HApDQwA

    こんな人におすすめです

    1.医薬業界で翻訳に携わる方
    2.医薬業界で業務効率を上げたい方
    3.ライフサイエンス分野の研究者
    4.その他

    講師について

    山田 優 氏
    立教大学 異文化コミュニケーション学部 教授
    東京都出身。米国ウエストバージニア大学大学院修士(言語学)。立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科 博士(異文化コミュニケーション学/翻訳通訳学)。著書に『自動翻訳大全』『ChatGPT翻訳術』。また、2022年9月には『MTユーザーガイド』を一般社団法人アジア太平洋機械翻訳協会(AAMT)にて発表。

    https://book.alc.co.jp/book/b10038198.html

    司会について

    早川 威士
    株式会社 アスカコーポレーション ML/NLPスペシャリスト
    機械翻訳を用いた翻訳システムの開発に従事。機械翻訳の精度評価や分野特化型モデルの構築にも取り組む。第18回AAMT長尾賞受賞。

    https://note.asca-co.com/n/n9e22fc312d16

    お申込み

    下記Zoomリンクよりお申込みください。

    https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_Xrug7pY5SNSU-Q7HApDQwA

  • 2023年AAMT年次大会で探った“機械翻訳”の今と未来

    11月29日、東京のAP虎ノ門とオンラインで「AAMT 2023, Tokyo ~機械翻訳の今と未来を探る~」が開催された。機械翻訳の精度の向上に加え、生成AIの登場は仕事に影響を与えるのか?という問いに対して、多くの熱い議論が飛びかった。

    招待講演として、「LLMをめぐる諸課題」というタイトルで、国立情報学研究所 所長/京都大学 特定教授の黒橋禎夫先生が、世界と日本の様々な生成AIの進歩と取り組みについてわかりやすく紹介下さった。
    奈良先端科学技術大学院大学教授である中村哲先生からは、「音声翻訳研究の現状と今後」についての最先端、興味深いお話も伺った。

    その後のスポンサーセッションでも、MT、音声翻訳などのユニークなセッションが繰り広げられただけでなく、公募セッションでも、「ChatGPTはメディカル翻訳にどう使えるか」、「出版翻訳における機械翻訳の活用 -「Podmanイン・アクション」での事例」、「ChatGPTの技術を用いた固有表現抽出の手法」など、実例を交えた実践テクニックも紹介された。

    最後のパネルディスカッションのテーマは、「通訳・翻訳の現実、技術と変革」。第一線でプロ翻訳者、通訳者として仕事をし、大学での研究、教育をされるお二人と、研究者として機械翻訳の実用化を目指す専門家を交えて、機械翻訳、翻訳と通訳業界の今と未来を探った。

    まずは、会議・放送通訳者であり、東京外国語大学名誉教授の鶴田知佳子先生から「最新の通訳現場について」。コロナ禍で仕事の現場に行けなったことで仕事の形態が変わった、と。例えばリモート、会議場の同時通訳ブースに入らなくても、ハブスポットや、自宅での仕事が可能になり、Zoomだけでなく、様々なIT、AIツールが仕事を大きく変えたのである。辞書や参考資料を持ち歩く必要もなく、遠方に移動する必要もなくなり、不要になった時間を準備などで品質向上に使えるようになった、とも。AIを使った字幕対応も取り入れれば、世界同時配信も可能になる。
    AIが進化することで、通訳と翻訳が近くなる?
    2025年大阪・関西万博までにAI同時通訳が可能に?
    鶴田先生ほどの実力をお持ちだのに、新しい技術と変化を取り入れる柔軟力に頭が下がる。
    AI通訳が普及しても、瞬時に重要な情報をわかりやすく伝えるためには通訳者の高度なスキルが欠かせないと信じている。

    次に、関西大学外国語学部教授の阪本章子先生が「MT時代の翻訳者教育・日本と世界の現状」について。最初に、
    翻訳会社の方へ「どんな能力をもった翻訳者に仕事を依頼したいですか?」
    翻訳者の方へ「翻訳者としてどんな能力を持っていますか?」
    36項目挙げてください、と投げかけられた。
    そこで、「欧州翻訳修士2022年技能フレームワーク」を紹介いただいた。欧州の大学院の翻訳コースを卒業した人が備えておくべき能力のリストで、大学院の翻訳コースで教えるべき項目である。
    2009年から2017年、そして2022年に改訂されたようで、
    「新しいツールが自分の仕事に与える影響を考えてから導入せよ!」
    「MTを使うのは適所だけ。データとしての翻訳の価値に気付け!」
    「翻訳会社にフィードバックを出すのもインタラクションのうち。」
    など。その他「翻訳者には社会的・経済的 責任を自分で負うべきで、権利を主張せよ」という変更ポイントは興味深い。
    技術が発達しても、大切なのは人間の知識とスキルで、多様化する翻訳産業界での challenges and opportunities に適応できる人材を養成するため、欧州翻訳修士2022年技能フレームワークの加盟大学は、5年ごとに教育内容の審査を受けるのだという。
    先生が、翻訳業界に送り出したい人は、自律的に自分のスキルを売り込める、自分の翻訳のデータとしての価値を知っている、自分で最善のワークフローを「批判的に」判断し、実行できる人だと。
    自分を知り、変える、変わることに労力をいとまない翻訳者でいてほしい、ということか。
    私も心から同意する。

    最後に、AAMT理事・東京大学大学院情報理工学系研究科 特任研究員の中澤敏明先生から「生成AI時代の機械翻訳:現状と未来」について。
    生成AIの技術の進歩の現在、過去、未来をわかりやすくまとめられたスライド説明の後、「全て生成AIに作ってもらいました」と伝え、会場を笑わせた。画像含め、かなりきれいにまとまっているが、よく見ると意味不明な間違いもあるのが面白い。
    その後の論文紹介もお手の物、さすがであった。
    AI技術の進化を、大きなチャンスと受け取ることがまず重要と強調。
    全く同感である。

    パネルディスカッションでの、通訳者、翻訳者という職業はなくなるのか、という問いには、きっぱりNo。ただし、代替がなく、変われる人、技術を効果的に使える人。
    AIは情報を理解しないが、人間は理解する、そこが違うと私は発言したが、理解しない(できない)人間もいる、と言われると、そうかもしれないと思ってしまった。脳科学的にも私の思い込みは違うかもしれないらしい。そもそも人間がAIより偉いわけではないし。

    AI技術の進歩で、機械翻訳の精度が大きく向上し、加えて生成AIの誕生で、翻訳だけでなく、通訳、教育、ライティングなど、多くの業務が可能になり、この先の展開はだれも予測できない。しかしながら、どれだけ優れた技術も、作るのも、使うのは私たちである。AI技術を取り入れながら、品質をあげながら、新しい働き方が可能になったのだ。自宅から通訳するのが普通になり、翻訳速度が上がることで、プライベート時間にあてることも。
    AI/MTは、私たちに新しい価値と働き方を提案する、と最後を締めた。

    どの会社、翻訳者も、生成AIをどう使うか、で盛り上がり、企業展示も懇親会も大盛況だった。未来を考える、元気な会社や人が集まっている、と改めて実感。
    ASCAももちろん参加した。
    明るい未来が、必ず来る。

    (文:AAMT理事 石岡映子)

    年次大会の概要

    https://aamt.info/event/aamttokyo2023/

    ASCAのAIに関する取り組みは下記より

    https://note.asca-co.com/m/m750a0ed88ad7

    https://www.asca-co.com/special/aiko/