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  • 【終了しました】第29回Science Café 腸内環境をデザインしよう! ― 腸内細菌がもたらす持久力向上メカニズムを例に ―

    Science Cafeのご案内

    Science Café はScienceまたは姉妹誌に研究論文等投稿が掲載された日本の研究者の方にZoom Webinarによるライブ配信にて講演して頂くイベントです。

    研究内容の解説に加え、研究にまつわるエピソード、社会に与える影響や提言を交えてお話して頂きます。Q&Aセッションも設けております。参加は無料です。

    日  時:2023年4月11日(火)14:00~14:40(予定)
    タイトル:腸内環境をデザインしよう!
                     ― 腸内細菌がもたらす持久力向上メカニズムを例に ―
    演  者:福田 真嗣 先生
                      慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授
                      株式会社メタジェン代表取締役社長CEO・CGDO

    概要

    およそ1,000種類40兆個。これは私たちのお腹の中に棲んでいる「腸内細菌」の種類と数。ヒトの体細胞数はおよそ30兆個と見積もられていることから、ヒトは人の細胞と細菌の細胞とで構成される超生命体(スーパーオーガニズム)と言えます。これまでの研究で、腸内細菌が人間の健康状態や生理機能に大きな影響を与えることはわかっていましたが、運動機能への影響は未解明でした。本セミナーでは腸内細菌がもたらす持久力向上メカニズムを例に、腸内環境を適切に制御すること(これを「腸内デザイン®」と呼びます)の重要性と、社会実装へ向けたわれわれの取り組みについて紹介します。運動が好きな方やお腹の調子が気になる方は是非ご参加ください!

    掲載号:Science Advances 2023年1月25日号
    “Bacteroides uniformis and its preferred substrate, α-cyclodextrin, enhance endurance exercise performance in mice and human males”
    SCIENCE ADVANCES 25 Jan 2023, Vol 9, Issue 4 DOI: 10.1126/sciadv.add2120

    株式会社メタジェンHP

    https://metagen.co.jp/company/

    お申込み

    以下のURLよりお申込みください。

    https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_pX6p7x3dSJ6FMOdorWZUQA

    ご登録いただく際、名、姓の順での記載となっておりますのでご注意下さい。また、確認メールにおいて敬称が省略される場合がありますことを予めご了承ください。
    *定員になり次第、締め切りよりも前に締め切る場合がございますので、予めご了承ください。

    お問合せ先
    Science Japan Office  担当:ランベッリ律恵
    E-mail: science_cafe_japan@asca-co.com

  • 仲間大募集!Vol.4 ~翻訳コーディネータに求められるスキルとは?~

    みなさん、こんにちは!

    仲間大募集シリーズの第4回目、ASCAになくてはならない職種、翻訳コーディネータについて紹介します。翻訳コーディネータの役割は、クライアントから依頼のあった翻訳案件の対応窓口として、要望や目的を正確に理解し、最適な翻訳者をアサインして、成果物を納品すること。プロジェクトを成功に導くキーマンです。(手がけるプロジェクト(サービス内容)はこちらをご確認ください。

    翻訳コーディネータとして入社いただくと、まずは上司や先輩のサポートのもと、翻訳やメディカルライティングなどのサービスを、効率的かつ効果的にご提供するために、下記の3つに貢献することを目的として仕事をしています。

    ・クライアントの満足度を最大化
    ・売り上げ目標の達成
    ・利益の最大化

    これらをクリアするには、以下のような能力が必要です。

    クライアントを含む関係者との「コミュニケーション力」

    クライアントから信頼を得て、満足度を上げるには、相手が何に困っているのか、何を求めているかを理解し、誠実に解決していくことです。そのためには、一つひとつのプロジェクトに対して、読み手は誰か、伝えるべき内容は何かなど、翻訳の目的をきちんと理解するための、聞き取る力が必要です。
    そして、プロジェクトを完遂するために、翻訳者をはじめとする関係者に、クライアントの意図を取り違えることなく、漏れなく、伝える「コミュニケーション力」がとても重要になります。

    売上目標に向けてアクションを起こせる「提案力」と「営業力」

    翻訳業界、製薬業界は日進月歩で進化しています。当然のことながら、クライアントのニーズ、私たちが提案、解決しなければならないことは次から次へと生まれてきます。業界の動向を読み、ニーズをとらえ、積極的にクライアントへ働きかける「提案力」と「営業力」は、信頼されるビジネスパートナーの立場を確立するための重要なスキルの一つです。

    社外翻訳者、チームメンバーへの「交渉力」

    プロジェクトの中には、新薬申請に係る重要な文書の翻訳が多く、大抵が高品質かつ短納期を求められます。そのような場合、翻訳者はもちろん、ともにプロジェクトを管理していくメンバーとの役割分担やスケジュール調整など、あらゆる「交渉力」が必要になってきます。

    プロジェクトの進捗を管理し、柔軟に対応できる「段取力」と「調整力」

    プロジェクトを最短スケジュールで進めるにはどのようなプロセスを踏んだら効果的か、誰にどんな作業を、どのタイミングで指示をすればいいのか。想定するべきトラブルは何か、実際にトラブルが発生した場合に誰がどのように解決していくのか。そして、そのプロセスは予算と売上に見合っているか。
    プロジェクトが大きくなればなるほど、細かい「段取力」と「調整力」は必要不可欠と言えます。

    翻訳コーディネータに求められるスキルは、専門的なものではなく、ビジネスパーソンとして必要な一般的なスキルです。私たちが取り扱う文書の大半は、医療・科学の分野ですが、そうした専門知識は、入社時には必ずしも必要ではありません。ASCAのコアバリューのひとつでもある「学ぶ姿勢」があれば、仕事を通して習得することができるのでご安心ください。

    ASCAは今、ビジネスパーソンとしての基本的なスキルもしくはそのポテンシャルがある方、そして新しい知識やスキルを学習し続けることが苦ではない方を求めています。

    いかがでしたでしょうか。
    共感いただけた方は、ぜひ、ASCAの求人にご応募ください。

    https://www.asca-co.com/recruit/index.html

  • 仲間大募集!Vol.3 ~ASCAが求める人材像:コアバリューについて~

    みなさん、こんにちは!

    仲間大募集のシリーズ3回目となりました今回は、ASCAが求める人材像についてです。

    前回ご説明いたしました行動指針(前回ブログはこちら)を作った後、では私たちがどんな社員を目指し、どんな仲間と仕事したいのか議論することにしました。そこで生まれたのがASCAのコアバリューです。
    ASCAで働くメンバーは、コアバリューに基づいて、日々考え、行動することが求められています。

    1.未来志向
    過去にとらわれず、果敢に挑戦し続けます
    2.学ぶ姿勢
    「科学大好き!」「もっと知りたい!」の心を持ち続けます
    3.「なんとかします」の解決力
    諦めない、タフな仕事ぶりが自慢です
    4.「さすが!」と言われるサービス
    オーダーメイドのソリューション
    5.自分も人も大切に
    多様性を尊重し、人生と仕事を楽しみます
    「そんな私たち未来への宿題をください」

    このコアバリューは社員が1年かけて作ったものです。なぜスターバックスは居心地がいいのか、なぜZappos(ザッポス)で靴を買うのか、などの本を読み、議論し、自分たちの言葉に落とし込みました。最後の「宿題をください」は、頑張って仕事しますが、もっと成長できるように、課題をください、というメッセージです。現状で満足せず、成長を重ねたいという心意気です。

    ASCAの目指す姿は、業績や成果だけを求めるのではなく、お客さまからも社外のパートナーさまからも、社員自身も、みんなから喜ばれる企業となることです。その実現に向けて、私たちが求める人材は、コアバリューを理解し、そのすばらしさに共感し、共通の目標に向かって情熱を持って取り組める人でなければなりません。
    今も、これからも、私たちはコアバリューを徹底することで、人として、企業として成長していきます。

    いかがでしたでしょうか。ASCAの「なぜ、この仕事をするのか」に共感いただけた方は、ぜひ、ASCAの求人にご応募ください。

    https://www.asca-co.com/recruit/index.html

  • AI翻訳を解き明かす

    AI翻訳を使って論文を読んでみよう

    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について最新の情報を論文で読んでみたいと思ったとします。しかし医学論文の大半は英語で書かれており、さらに専門性の高い言葉で書かれているため読みこなすのはそう簡単ではありません。ここでは、AI翻訳を使って効率よく論文を読む方法を試してみます。
    たとえば以下の論文をAI翻訳を使い英→日翻訳して読んでみます。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33300948/
    マスク着用の有効性について書かれた論文ですね。ここではブラウザに備え付けられた翻訳機能を使います。ChromeやEdgeであれば、ページのURLの横に追加される翻訳ボタンをクリックすることでAI翻訳が機能します。多くの場合、特に設定しなくても日本語に変換されると思います。実際に翻訳すると以下のようなテキストに変換されます。

    重要性:2019年のコロナウイルス病(COVID-19)のパンデミックの間、一般の人々は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の感染を制限するために、マスクまたは即興の顔面カバーを着用するようにアドバイスされています。しかし、マスクが着用者を浮遊粒子から保護する程度に関しては、かなりの混乱と意見の不一致がありました。
    目的:さまざまな消費者向けおよび即興のフェイスマスクの適合ろ過効率(FFE)、およびマスクの適合または快適さを改善することを目的とした医療処置マスクのいくつかの一般的な変更を評価すること。
    デザイン、設定、参加者:2020年6月から8月の間に研究所で実施されたこの研究では、7つの消費者グレードのマスクと5つの医療処置マスクの修正が成人男性ボランティアに装着され、胴体、頭、米国労働安全衛生局の定量的適合試験プロトコルで概説されている顔の筋肉。テストされた消費者グレードのマスクには、(1)オプションのアルミニウム製ノーズブリッジとフィルターインサートを所定の位置に配置してテストされたイヤーループ付きの2層ナイロンマスク、(2)斜めに1回折りたたまれた綿のバンダナ(つまり、「バンディット」スタイル)が含まれていました。

    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33300948/

    少し不自然な表現はあるかもしれませんが、特に問題なく読みすすめることができます。しかし、途中でおかしいと思うところがありますね。太字の文章ですが、途中で文章が終わってしまっています。これは何らかの理由で翻訳がうまく行かなかったのでしょう。そこで、この文章だけ訳し直してみます。
    今回はGoogle翻訳のページで試してみます。
    https://translate.google.co.jp/
    間違っていたと思われる原文を取り出すと、以下のような原文になっています。

    For this study conducted in a research laboratory between June and August 2020, 7 consumer-grade masks and 5 medical procedure mask modifications were fitted on an adult male volunteer, and FFE measurements were collected during a series of repeated movements of the torso, head, and facial muscles as outlined by the US Occupational Safety and Health Administration Quantitative Fit Testing Protocol.

    これをGoogle翻訳に貼り付けてみると、たしかにうまく翻訳できていません。どうやらひとつの文章としては長すぎるようなので、途中である「and」の箇所で文章を切ってみましょう。

    For this study conducted in a research laboratory between June and August 2020, 7 consumer-grade masks and 5 medical procedure mask modifications were fitted on an adult male volunteer. And FFE measurements were collected during a series of repeated movements of the torso, head, and facial muscles as outlined by the US Occupational Safety and Health Administration Quantitative Fit Testing Protocol.

    すると、以下のように訳文が変わりました。

    2020年6月から8月の間に研究所で実施されたこの研究では、7つの消費者グレードのマスクと5つの医療処置マスクの修正が成人男性ボランティアに装着されました。FFEの測定値は、米国労働安全衛生局の定量的適合性試験プロトコルで概説されているように、胴体、頭、顔の筋肉の一連の繰り返し運動中に収集されました。

    途中で切れていた文章の続きがちゃんと翻訳されて、意味の通る文章になっています。このように、読んでみてなにかおかしい箇所は、原文を修正(プリエディット)することによって訳文が正しく出力されるようになることも少なくありません。今後も、このようなテクニックを紹介していきますので、どんどん英語の文献を読んでいきましょう。

    アスカコーポレーションのAI翻訳についての取り組みは下記URLよりご覧いただけます。

    https://www.asca-co.com/business/machine_translation.html

  • 仲間大募集!Vol.2 ~ASCAで大切にしていること=行動指針は、情報管理~

    みなさん、こんにちは!

    仲間大募集!のシリーズ第二弾として私たちが一緒に働きたい人材像について、を予告しておりましたが、その前に、ASCAで大切にしている行動指針(どのように考え、どのように行動するかの基本となる方針)について説明させてください。

    https://www.asca-co.com/company/mission-statement.html

    ASCAには、仕事の優先順位の柱になる「行動指針」があります。

    1. 情報管理 
    2. 礼儀正しさ 
    3. 早く正確に

    何を優先させるかは簡単なことではありません。例えば、クライアントからパスワードのかかっていない多数のファイルが送られてきて、すぐに翻訳者に渡さないといけない場合があるとします。「セキュアサイトに移すのは手間がかかるし、翻訳者を待たせてしまう。ファイル名を間違えるかもしれないので、そのまま転送してもいいかな?」と、急いでいる場合は、こんな選択をしてしまいがちです。そんな時もASCAだと、行動指針に基づき、手間がかかってもセキュアサイトに移す手間を省くことは許されません。翻訳者を待たせたり、ファイル名を間違えたりするかもしれないリスクよりも”情報管理”が重要となるわけです。

    この行動指針を作った経緯は、ディズニーランドで働く人たち(キャスト)がなぜ生き生きしているのか、顧客のリピート率が高いのか、そのヒントが欲しくて社員皆で研修を受講したのがきっかけです。ディズニーランドのビジョンはTo make people happy「すべての人を幸せにすること」で、その実現のために、そこで働くキャストの皆が、

    1.安全・・目配り
    2.心地よさ・・よい印象
    3.ショー・・楽しんでもらう
    4.効率・・待たせない仕事ぶり

    という行動基準を徹底させています。たとえば、掃除をするキャストの人はしゃがまずに足で掃除をするそうです。キャストがしゃがむと他のお客様にぶつかったり、周りの見守りができなかったりしてしまいます。キャストが足で掃除するのは、行儀が悪いように見えても安全を優先させるからだそうです。何が一番大切なのか、考える機会となりました。

    研修後、私たちの実務において何を優先するべきか、社内で考えてASCA「行動指針」が誕生し、今でもしっかり受け継いでいます。

    いかがでしたでしょうか。ASCAの「なぜ、この仕事をするのか」に共感いただけた方は、ぜひ、ASCAの求人にご応募ください。

    https://www.asca-co.com/recruit/index.html

  • 製薬会社出身、薬学博士、そして医薬専門の翻訳会社のアドバイザー -上條 猛-

    今回は製薬企業での研究開発経験のある弊社アドバイザー、上條猛さんにインタビューを行いました!

    上條さん

    薬剤師の家系

    上條さんはASCAに入られる前は製薬会社にお勤めで、薬学博士もお持ちですが、どういった経緯で製薬、薬学に興味を持たれたのでしょうか。

    実家が薬局だったんです。父親も母親も兄も薬剤師で、実は両親の実家も薬局で。そういった環境に育ったので、薬学に行くことしか考えていなかったですね。ついでですが、家内と息子も薬剤師なんです。

    薬剤師の家系だったんですね。ということは当初は実家を継ぐこととも考えていたかと思うのですが、どうして製薬会社に入社されたのでしょうか。

    最初は薬剤師を目指していたのですが、大学で、実験などをしていくうちに研究が楽しくなったんですよね。兄が薬局を継いだこともあり、製薬会社に就職しました。

    製薬会社では幅広く業務を経験

    ということは、製薬会社では研究職をされていたのでしょうか。

    はい。研究職として入社しました。製薬会社では本当にいろいろな経験をしました。安全性や創薬の薬理実験を行ったり、某大学医学部派遣時は急性心不全モデルを使った研究に没頭しました。臨床開発時代は臨床試験と申請も担当、学術の仕事にも関わることができ、医薬品開発について幅広く勉強することができました。

    その幅広く関わったものの一つが翻訳だったわけですね。

    そうなりますね。たまたま翻訳グループのポストが空いていて、英語で仕事をする機会も多かったという経緯もあって、翻訳グループに転属。
    そして、そこでASCAを知りました。

    今ASCAでやりたいこと

    では、最後に今ASCAでやりたいことを教えていただけますか。

    初めて関わったときと比べ、ASCAの専門性は大きく上がりました。
    でも、きっと「質問したくてもなかなか質問しづらい疑問」があると思うんですよね。なので、今やりたいこととしては製薬会社で医薬品開発に携わってきた経験を活かし、ASCAの社員の日々の業務の中で湧いてきた製薬に関する疑問を解消できれば良いな、と思っています。
    また、疑問を解消できたことで、「薬」って面白い、「翻訳」って奥が深いって思ってもらえたら嬉しいです。

    話し手:アドバイザー         上條 猛
    訊き手:ソリューション事業部 営業  古谷 慶之

    一緒に成長できる社員を大募集しています。
    私たちASCAは、医薬・ライフサイエンス分野における、Total Solution Provider No. 1を目指しています。その実現に向けて、広くさまざまな経験やバックグラウンドを持った人材と働きたいと考えています。

    https://www.asca-co.com/recruit/index.html

  • 仲間大募集!Vol.1 ~なぜ、私たちはこの仕事をするのか~

    みなさん、こんにちは!

    ASCAは現在、一緒に働いてくれる社員を大募集しています。

    私たちは、医薬・ライフサイエンス分野における、Total Solution Provider No. 1を目指している翻訳会社です。医薬・ライフサイエンス分野に特化した翻訳や英文校正をはじめ、メディカルライティング、論文投稿支援、臨床試験登録などクライアントからの様々なニーズに応える、幅広いサービスを提供しています。

    このブログでは、ASCAがなぜこの仕事をするのか、その想いを知っていただき、さらには私たちが求めている人材像や仕事の内容などもシリーズでお伝えしていきたいと思います。

    第1回目は、ASCAのミッションである「なぜ」の部分をお伝えさせてください。

    私たちのミッションは医学・薬学、科学の翻訳やメディカルライティングなどのサービスを通じ、世界中の人々の生命と健康を守ることに貢献すること。

    医学の目覚ましい発展を以てしても、未だ根絶することのない、病。
    医師や研究者たちは、日夜、その病に対峙し、新しい治療法や薬の開発に励んでいます。そしてそれらを本当に必要としている患者のもとに届けるためには、必要な文書を作成し、各国で承認されなければなりません。

    どんな病気にどのように効果があるのか?安全性は?そのためにどんな試験をするのか?
    伝えなければならない事は多岐にわたります。
    当たり前です、人の命に関わることですから。
    これらの過程で生まれた膨大なデータやコトバたちは、世界中の言語に変換され、読まれ、伝わり、最終的に承認されて、新しい治療法や薬という形で、ようやく患者のもとへと届くのです。

    そのお手伝いをするのが、私たちASCAの役割であり、使命なのです。
    日々の業務の中で、世界中の人々の生命と健康を守ることに貢献していると実感できることはそうそうありません。翻訳サービスが主なので、業務も地味なものです。目の前の業務をこなすことに精一杯になり、時には投げ出してしまいたくなることもあります。でも、世界中で日々アップデートされる治療薬やワクチンのニュース、患者の治療に日々奮闘されておられる医師のお話に触れることで、その先には今も闘病している人々や病気を克服した人々がいることを思い出すのです。

    そうだ。地味だけど、しんどいけど、この頑張りは世界の誰かの役に立っているんだと。

    いかがでしたでしょうか。ASCAの「なぜ、この仕事をするのか」に共感いただけた方は、ぜひ、ASCAの求人にご応募ください。

    次回は私たちが本当に求めている、一緒に働きたい人材像について、です。

    https://www.asca-co.com/recruit/index.html

  • AI翻訳を使いこなすテクニック

    AI翻訳のメリットとデメリット

    AI翻訳のメリットは、即座に翻訳文を出力できることです。翻訳処理をするときにはシステムの内部で複雑な演算処理を行っていますが、近年のコンピュータのハード面での進歩によって高速な処理が可能になっています。人間が行えば非常に時間がかかる翻訳作業も、AI翻訳はほとんど時間をかけることなく実行できるため、翻訳にかける時間を短縮できることが期待できます。

    一方で、AI翻訳のデメリットは、エラーのない完全な翻訳を提供することは困難であるということです。機械翻訳はAIを導入することで進歩してきましたが、AIならではの間違いも存在し、誤りをなくすまでには至っていません。人間の言語自体が複雑で、また状況に依存するものであるため、今後も完全な翻訳機ができることはないのかもしれません。すなわち、AI翻訳はミスがあるものとして、そのリスクを織り込んだ上で運用する必要があります。

    AI翻訳のコストとセキュリティ

    AI翻訳はウェブサービスとして利用できるものも多く、その中には無償で翻訳できるサービスもあります。それらを使っている限りは費用は掛かりませんが、ニーズによりコストは変わってきます。すなわち、翻訳精度を高めるためカスタマイズしたい、自社内サーバーで運用したい、人間による編集作業(ポストエディット)を行いたい、などどのような運用を目指すかでコストは変わってきます。

    また、セキュリティ面にも考慮する必要があります。AI翻訳サービスの中には、入力した文章をAIの学習などに再利用する旨が記載されているものもあります。企業の秘密情報を翻訳する場合、こうした再利用を認めてもよいか企業内でコンセンサスを取っておく必要があるでしょう。そしてもし再利用が認められないなら、「翻訳したテキストが破棄される」ことを明示したAI翻訳に移行することになりますが、多くの場合こうしたサービスは有料となっています。

    ポストエディット

    「AIの翻訳と人間の翻訳」でも述べたように、AI翻訳は100%正しい翻訳を保証することはできません。また、意味的には誤りではなくても、語彙が間違っていたり、文体がおかしかったりすることもしょっちゅうです。かつての自動翻訳のようにあたかも機械が訳したようなぎこちない翻訳文を出力することは減りましたが、完璧な翻訳機となるにはまだ時間がかかりそうです。自分が読んで理解するだけであれば、多少翻訳に間違いがあっても自分がそれに気づいていれば大した問題はありませんが、それをまた他人に伝えるとなると話は別です。

    AI翻訳を正しい翻訳として使うには、翻訳の結果をチェックし、誤った箇所を修正するという作業が不可欠になります。これをポストエディット(post-editing)と呼びます。ポストエディットは、翻訳前の原文もみながら、原文と翻訳文が正しく一致しているかを確認し、誤りや不自然な表現があれば適切な言葉に修正していきます。AI翻訳は部分的に訳を飛ばしてしまっていることもある(訳抜け)ので、その場合は自分で翻訳するか、AI翻訳にかけなおすかして抜けた箇所を埋めます。逆に原文にないのに翻訳文に現れてしまっていることもあり(湧き出し)、その部分は削除します。

    ポストエディットを行うには原文を読める言語スキルが求められ、さらに翻訳文のクオリティを上げようとすると作業量や必要な知識が多くなります。このため、自力でやることが困難な場合も多く、そのようなときは翻訳を専門としている翻訳会社に外注することもできます。翻訳会社は自前でAI翻訳システムを保有していることもあるので、適切な翻訳エンジンの選定から対応してくれることもあります。

    プリエディット

    AI翻訳を使って日本語を外国語にうまく訳せないとき、次のような問題に当てはまっていませんか?

    • 文章が長すぎる

    • 主語や目的語などが省略されている

    • 日本独自の単位などが使われている

    • 業界用語や流行語など使用頻度の低い語が含まれている

    これらの要素はAI翻訳にとっては苦手なものであり、訳がおかしくなる原因となります。そういうときは、事前に原文に手を入れてからAI翻訳にかけるとうまくいくでしょう。
    例えば、

    • 長すぎる文を2つに分ける

    • 主語や目的語を補う

    • 尺→メートル、和暦→西暦などに変換する

    • より平易で普遍的な表現に置き換える

    これらの処理を、プリエディット(pre-editing)と呼びます。例に挙げたように、翻訳しにくい要素を編集で手直しすることを指していますが、普段からわかりやすい表現、外国の人にも伝わりやすい表現で書くことを心がけていれば、プリエディットをする必要はないかもしれませんね。

    AI翻訳と翻訳プロセス

    翻訳というサービスの中で、いわゆるテキストを変換する作業は、実はこの複雑なサービスの中のひとつのプロセスに過ぎません。私たちの翻訳サービスでは、資料の読み込みなどの前準備、用語や表現などのカスタマイズ、品質管理工程、数値などのテクニカルチェック、ドキュメントレイアウトの編集なども含めた一連のワークフローに基づき、高品質な翻訳成果物を提供しています。この考えはAI翻訳を用いた場合も変わりません。AI翻訳の恩恵を最大限享受するために、効率化や品質の安定化を図り最適化されたプロセスをご提案していきます。

    AI翻訳を用いたコストとスピードの最適化

    AI翻訳はただ使うだけでは品質の安定化を望めず、ただポストエディットするだけではコストもスピードも大して改善できません。つまりAI翻訳を導入するだけでお客様のニーズに十全にお答えすることはかなわないと考えています。
    コストが大事なのか、スピードアップが必須なのか、その両方を目指したいのか。私たちはニーズをきめ細やかに聞き取り、ただそれをできると請け負うのではなく、根拠に基づいたメソッドとストラテジーを提案し、ニーズの充足を目指していきます。

    人手翻訳とのインテグレーション

    AIは人間にとって万能な技術ではなく、それはAI翻訳も例外ではありません。エラーの制御、表現や語彙のカスタマイズなど、AI翻訳を適切に利用するには人間側でも知識やノウハウに基づいてAIをサポートしていく必要があります。ポストエディットもAIと人間の協調の一例と言ってよいでしょう。また、あるときはあえてAI翻訳は使わず人手翻訳するほうが生産性の高い選択肢となるかもしれません。
    私たちは、AIの柔軟性と人間の経験を統合(インテグレーション)することで、よりスピーティで、よりコストパフォーマンスに優れ、よりクオリティの高いサービスを提供する、Total Solution Providerとして医薬品開発や医学研究をサポートしていきます。

    アスカコーポレーションのAI翻訳についての取り組みは下記URLよりご覧いただけます。

    https://www.asca-co.com/business/machine_translation.html

  • Science Update 10 Feb, 2023 No.2

    サイエンス誌(Science)に掲載された日本人著者からの日本語タイトルとコメントを紹介します。

    Inhibition of cellular RNA methyltransferase abrogates influenza virus capping and replication
    細胞内のRNAメチルトランスフェラーゼの阻害はインフルエンザウイルスのキャップ構造の付加を妨げ複製を抑制する

    宿主のRNAメチル化転移酵素MTr1がA型およびB型インフルエンザウイルスの複製時におけるキャップ構造の付加に不可欠であることを明らかにしました。さらにMTr1阻害剤を同定しヒトの肺組織におけるその抗ウイルス効果と既存薬との併用の可能性を示しました。

    SCIENCE 10 Feb, 2023, Vol 379, Issue 6632

    Institute of Cardiovascular Immunology, Medical Faculty, University Hospital Bonn, University of Bonn
    加藤 博己

    https://www.science.org/doi/10.1126/science.add0875

  • Science Update 10 Feb, 2023 No.1

    サイエンス誌(Science)に掲載された日本人著者からの日本語タイトルとコメントを紹介します。

    Mitochondria metabolism sets the species-specific tempo of neuronal development
    ミトコンドリアの代謝は神経発達の動物種特異的な速度を規定している

    脳の発達期間は動物種によって異なり、特にヒトは他の動物に比べて著しく延長していることが知られています。今回の研究では、ミトコンドリアの発達速度がヒトとマウスで異なること、ミトコンドリアの代謝の違いが神経細胞の発達速度の違いを生み出していることを明らかにしました。

    SCIENCE 10 Feb, 2023, Vol 379, Issue 6632

    VIB-KU Leuven Center for Brain & Disease Research
    岩田 亮平

    https://www.science.org/doi/10.1126/science.abn4705