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  • 波形整形されたテラヘルツパルスによる、単一分子接合での超高速オンデマンドエキシトン形成 – 理化学研究所 開拓研究本部 KIM表面界面科学研究室 木村 謙介 先生

    サイエンス誌(Science)に掲載された日本人著者からの日本語タイトルとコメントを紹介します

    Ultrafast on-demand exciton formation in a single-molecule junction by tailored terahertz pulses
    波形整形されたテラヘルツパルスによる、単一分子接合での超高速オンデマンドエキシトン形成

    SCIENCE 7 March 2025, Vol 387, Issue 6738

    分子と金属間の電荷の授受は有機デバイスや化学反応中に現れる分子科学における基礎的な現象の一つです。本研究では、テラヘルツ光パルスと走査トンネル顕微鏡発光分光法を組み合わせた手法により高い時空間分解能で電荷移動を制御し、単一分子中に励起子を形成することに成功しました。更にはテラヘルツ波を整形することで、超高速な励起子形成の制御を実現しました。

    理化学研究所 開拓研究本部 Kim表面界面科学研究室
    木村 謙介

    https://www.science.org/doi/10.1126/science.ads2776

  • 【終了しました】第47回 Science Cafe 多能性幹細胞の新しい制御メカニズム ― 染色体パッセンジャー複合体による未分化維持機構 ―

    Science Cafeの概要

    Science Café はScienceまたは姉妹誌に研究論文等投稿が掲載された日本研究者の方にZoom Webinarによるライブ配信にて講演して頂くイベントです。

    研究内容の解説に加え、研究にまつわるエピソード、社会に与える影響や提言を交えてお話して頂きます。Q&Aセッションも設けております。参加は無料です。

    日  時:2025年4月22日(火)14:00~14:40(予定)
    演  題:多能性幹細胞の新しい制御メカニズム
         ― 染色体パッセンジャー複合体による未分化維持機構 ―
    演  者:工藤 保誠 先生
                      徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔生命科学分野 教授

    概要:胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS 細胞) などの多能性幹細胞は、さまざまな細胞に分化する能力を持ち、再生医療や疾患研究、創薬研究への応用が期待されています。しかし、幹細胞が「未分化」の状態をどのように維持しているか、そのメカニズムは十分に解明されていませんでした。本研究では、細胞分裂を制御する染色体パッセンジャー複合体(CPC)が、多能性幹細胞の未分化能維持に重要であることを明らかにしました。CPCの機能を阻害すると、多能性幹細胞は分化を始めることが確認されました。この成果は、再生医療やがん幹細胞をターゲットにした新たながん治療法の開発に貢献することが期待されます。

    掲載号:Sustained chromosomal passenger complex activity preserves the pluripotency of human embryonic carcinoma cells | Science Signaling
    Science Signaling 18 Feb 2025, Vol 18, Issue 874

    【徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔生命科学分野 研究室HP】

    https://yasusei6.wixsite.com/yasuseikudo/blank-5

    【徳島大学による論文プレスリリース】
    【プレスリリース】多能性幹細胞の未分化能維持に新たなメカニズムを発見―細胞分裂を制御する因子が幹細胞の未来を左右する― – 国立大学法人 徳島大学


    Science Cafeのお申込み

    以下のURLよりお申込みください。
    https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_HVVXQh2NS7inv3O9P42sCw

    ご登録いただく際、名、姓の順での記載となっておりますのでご注意下さい。また、確認メールにおいて敬称が省略される場合がありますことを予めご了承ください。
    定員になり次第、締め切りよりも前に締め切る場合がございますので、予めご了承ください。
    ご登録後、確認メールが届いたことをご自身にてご確認下さい。届いていない場合、メールアドレスおよび迷惑フォルダーなどをご確認下さい。ご不明点などございましたら以下メールアドレスにご連絡下さい。

    お問合せ先:Science Japan Office/株式会社アスカコーポレーション
    担当:ランベッリ律恵 E-mail: science_cafe_japan@asca-co.com


    Science Update

    サイエンス誌(Science)に掲載された日本人著者からの日本語タイトルとコメントを紹介します。

    https://note.asca-co.com/m/m33eda82c3a71


    Science Japan Office

    Science Japan Officeからのお知らせを掲載します。

    https://note.asca-co.com/m/m078ac111911e

  • 【来週開催!】Science編集長ホールデン・ソープ氏が初来日

    Science誌発行元である米国科学振興協会(AAAS)が主催、京都大学との共催する、「Science Japan Meeting 2025」がいよいよ開催間近となってきました!

    本イベントは「産官学連携による日本の科学力強化」をテーマに、米国科学振興協会(AAAS)より、科学誌Scienceおよびその姉妹誌のEditor-in-ChiefやPublisherが来日し、日本の最高学府や産官学連携に関わる識者とともに、日本の科学の発展に向けた重要な課題について議論し、提言を行います。

    今週いっぱい参加申し込みを受け付けます。

    参加申し込みは下記

    研究者、企業家、教育者、大学総長など多様な経験を持つHoldenに関する記事、Scienceが配信する情報を是非チェックください。

    Holdenのブログ

    https://www.science.org/blogs/editors-blog

    Come together, right now   Science2月24日号社説 
    Science3月11日号の社説のリンク

    https://www.science.org/doi/10.1126/science.adw9972

    Trump政策に関するニュースが満載
    https://www.science.org/news 


    Science3月11日号の社説を受け、2月22日発行の日経新聞の記事に、
    “「サイエンス」のホールデン・ソープ編集長は11日の社説で、NIHの施策を「学問への冷酷な仕打ち」と表現した。「科学界は団結して、反対の声を上げなければいけない」と強調した”と掲載されています。
    是非こちらからご確認ください。

    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG22E3L0S5A120C2000000/

    会場では最新の「Science誌に掲載された日本人研究者」他3冊も先行で無料配布します。是非手に取ってください。

    ご質問・お問い合わせ先

    Science Japan Office (c/o ASCA Corporation) 
    ランベッリ律恵 (03-6459-4174)rrambelli@aaas.org 
    谷 美雪   (06-6202-6272)mtani@aaas.org  

  • ASCAの社員勉強会 ー医薬品知識勉強会・朝の勉強会ー

    こんにちは、入社2年目の村田です。

    ASCAでは、社員のレベルアップを目的として、様々な研修制度が用意されています。特筆すべきは、医薬品の知識について学ぶ機会が手厚く整っていること。

    翻訳業界や医薬に関する知識に自信のない方でも、基礎から学ぶことができます!今回は、その研修制度の一部をご紹介します。

    医薬品知識勉強会

    月に1回、全社員を対象に開催されています。

    入社年次や職種に応じてコースが分かれており、自身のレベルに適した内容で学ぶことができます。

    講義内容は、医薬品開発がどんなステップを踏むのか、という基礎的なレベルから、

    治験で発生する主な文書の解説、さらには実際の業務でお客様のニーズに合わせてどのように翻訳戦略を立てていくかといった応用まで幅広く展開しています。

    例:

    • 医薬品とは何か?(医薬品開発の歴史と変遷について)

    • 医薬品開発のステップ(医薬品開発のプロセスと全体像を理解する)

    • 治験関連文書の翻訳戦略(翻訳対象の文書の中身を理解して、必要な戦略をたてる)

    私も勉強会のカリキュラムを一通り受講したことで、翻訳が治験開発のどの段階に関わっているのかを理解することができました。自分の仕事に、自信を持って業務に取り組めるようになったと感じています!

    https://note.asca-co.com/n/nac8cd5e3f180

    朝の勉強会

    週に2日、新人を対象に、朝の勉強会を行っています。

    新聞記事からテーマを一つ取り上げて、発表します。さらに、そのテーマについて皆でディスカッションを行います。

    自分なりにかみ砕いて、相手にわかりやすく伝えるプレゼンテーションの練習の場でもある朝の勉強会。

    世の中のニュースに触れ、異なる視点からの意見があがるので、毎回新しい発見があります!

    まとめ

    ASCAの研修制度は、社員一人ひとりに応じたレベルアップをサポートしてくれます。 特に医薬品開発に関する知識を深めるプログラムに力をいれており、業界未経験の方でも基礎からしっかり学ぶことができます。

    実は私自身も、医薬品開発に携わる業務は未経験での入社でした。
    もちろんまだまだ成長段階ですが、ASCAのサポートもあり、自信をもって業務に取り組むことができています。

    医薬品開発に関わるお仕事に興味がある方は、ぜひ応募を検討してみてください!

    採用情報について

    ASCAでは、日頃からASCAのメンバーとして活躍して頂ける方を募集しております。ご興味をお持ちいただいた方は、ぜひ下記よりお問合せください!

    【社員募集はこちら】

    https://www.asca-co.com/recruit/index.html

    【パートナー募集はこちら】

    https://www.asca-co.com/recruit/partner.html

  • 【3月13日 無料ウェビナー開催!】「生成AIで論文執筆を加速する! AIを研究者向けに最適化する方法」

    「論文執筆に時間がかかる…」
    「生成AIの使い方がわからない…」
    「生成AIって倫理面は大丈夫なの?」

    そんなお悩みや疑問をお持ちの方にご案内したいセミナーのご紹介です。

    2025年3月13日16:30-17:00に、論文執筆を生成AIをつかって加速させるためのオンラインセミナーを開催します。

    今回のテーマは、

    「生成AIで論文執筆を加速する! AIを研究者向けに最適化する方法」
    講師は、立教大学教授 山田優先生。

    3月13日、生成AIを使うことにより、生成AIがあなたの論文執筆の最良のパートナーにできること間違いなしです!
    このセミナーで学べる「生成AIを使った論文執筆法」を活用すれば、執筆のストレスを軽減し、論文執筆のスピードをUPできます。
    定員に限りがありますので、お早めにお申し込みください!

    【参加登録はこちらから!】

    事前申し込みが必要です。以下のリンクからお申し込みください。
    https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_AswTiucaRSid_uuMiS7uBQ

    【セミナー詳細】

    • 日時:2025年3月13日(木)16:30-17:00

    • 形式:ZOOM Webinar

    • 講師:山田優(立教大学 異文化コミュニケーション学部 教授)

    • プロフィール
      フォードモーター社内通訳翻訳者、IT系ローカリゼーションのプロジェクトマネジャーを経て、産業翻訳者・コンサルとして独立後、大学教員に転身。今は研究と教育に没頭する。最近の関心は、AIを活用した多言語コミュニケーションと翻訳の社会実装。現在、立教大学 異文化コミュニケーション学部 異文化コミュニケーション学科 教授
      直近の著書として「ChatGPT英語学習術 新AI時代の超独学スキルブック」


  • 【SJM2025】AIアシスト通訳システムを導入

    3月10日(月)に京都で開催されるScience Japan Meeting2025において、運営の株式会社アスカコーポレーションはAIアシスト通訳システムを導入いたします。
    講演は英語で行われますが、AIアシスト通訳システムを導入することにより、スマートフォン等携帯デバイスで講演内容を日本語で確認いただけます(日本語以外の言語にも対応可能)。

    翻訳に関しては、AI翻訳が、サポート、代替手段として仕事に欠かせないツールになりましたが、通訳に関してもかなりのレベルになっています。まだまだ、なのか、期待以上、なのか、今回の会議で是非ともお試しください。AI通訳は未来のコミュニケーションを変えるかもしれません。

    AIアシスト通訳システムは、機械翻訳を使用して提供されています。そのため、固有名詞などの訳語や、表現が不適切または不自然に感じられる場合があります。ご利用の際には、翻訳内容の正確性を保証するものではないことを予めご了承ください。

    株式会社アスカコーポレーションは、今後もAIを活用し、ライフサイエンス分野の言語についてボーダーレスとすべく、取り組んでまいります。

    皆様のご参加を運営スタッフ一同、心よりお待ちしております。

    お申し込みは下記より(※現地開催のみです)

    『Science Japan Meeting 2025』
    テーマ:Enhancing Science in Japan Through Industry-Academia Collaboration -産官学連携による日本の科学力強化-
     
    日時:2025年3月10日(月)12:00~20:00(ネットワークキング含む ※ネットワークキングは招待者のみとなります)
    場所:京都大学百周年記念時計台記念館(百周年記念ホール・国際交流ホール)
     
    主催:米国科学振興協会(AAAS)
    共催:京都大学

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    株式会社アスカコーポレーション 営業部
    asca-value@asca-co.com

  • 【3月5日(水)】AI翻訳で論文読解を加速!効率アップの活用法

    本Webinarでは、AI翻訳エンジン「AIKO SciLingual」を活用し、論文読解を効率化する活用法をご紹介いたします。
    さらに、Webinar後半では実際の操作画面を用いたデモンストレーションを実施! AI翻訳の精度や使い方を、実際にご覧いただけます。
    論文読解の効率を向上させたい方、必見の内容です!
    ぜひこの機会にご参加ください。


    開催概要

    日時:2025年3月5日(水) 13:30-14:00
    場所:Zoom Webinar (お申込みは下記)
    参加費:無料
    お申込URL:

    https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_oI4GjuUKSlG8Xg_pfaZ7gw

    ナビゲーターについて

    村上 諭美
    株式会社アスカコーポレーション 営業部
    主にAI翻訳プラットフォーム「AIKO SciLingual」のセールス&サポートを担当。

    お申込み

    下記Zoomリンクよりお申込みください。

    https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_oI4GjuUKSlG8Xg_pfaZ7gw

    AIKO SciLingualについて

    https://note.asca-co.com/p/aikoscilingual

    お問い合わせ

  • さらに高精度に、SciLingualエンジン

    株式会社アスカコーポレーション独自の医学・医薬特化のAI翻訳エンジン「SciLingual(サイリンガル)」について、この度大規模なアップデートを行いましたので、ご紹介いたします。


    データ品質の向上でより信頼性の高い翻訳エンジンに

    学習データの追加を行うと同時に、フィルタリング、固有表現認識、およびデータ拡張など最新の言語処理技術を活用し、AIの学習データを精査・最適化しました。その結果、翻訳の一貫性や文脈理解の精度が大幅に向上しています。

    より幅広い業務での活用へ

    今回のアップデートで薬剤名の翻訳精度が大幅に改善しました。これにより、従来の臨床開発や学術に加え、PVや営業での多言語業務にも展開いただけます。

    結果

    BLEUスコアの改善

    このアップデートによって翻訳精度が向上し、BLEUスコアも大幅に向上することができました。

    BLEUスコアとは?
    BLEU(Bilingual Evaluation Understudy)スコアは、機械翻訳モデルの性能を評価するための指標です。翻訳文が正解の翻訳とどれだけ一致しているかを計算し、それをもとにスコアを算出します。スコアは0から100の間の数値で表され、100に近いほど「正解の翻訳と非常によく一致している」ことを意味します。
    • 0~10: 翻訳の質が非常に低く、ほとんど意味が通じない可能性が高い
    • 10~30: ある程度の単語の一致はあるが、自然な翻訳とは言えない
    • 30~50: 意味の通る翻訳が多くなり、実用的なレベルに近づく
    • 50以上: 人間の翻訳と非常に近く、高品質な翻訳が期待できる

    薬剤名(商品名)の訳出が大幅に改善

    また、この度のアップデートによって薬剤商品名の訳出も大幅に改善いたしました。

    SciLingualエンジンは今後もアップデートを続けます

    今回のアップデートでSciLingualエンジンは精度を大幅に向上させましたが、今後も定期的にアップデートを行い、精度向上に努めてまいりますので今後にもご期待ください。

    SciLingualエンジンがすぐに使えるツール「AIKO SciLingual」

    https://note.asca-co.com/p/aikoscilingual

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  • ASCA「大阪府グリーンボンド」に出資

    私たちASCAは、このたび、大阪府が発行するグリーンボンドに出資しました。「大阪府グリーンボンド*」は、SDGsの実現に向けた取り組みの一環として、CO2排出量削減や気候変動による自然災害の影響を軽減・回避するプロジェクトを推進する資金を調達するためのものです。

    環境への貢献を目指して
    ASCAは、社会に対する責任を果たし、持続可能な未来を築くことを目指しています。「大阪府グリーンボンド」は、環境への貢献を目的としたプロジェクトへの資金提供を通じて、私たちの価値観と一致しています。

    今後の展望
    ASCAは引き続き、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを支援してまいります。出資を通じて得られるノウハウやネットワークを活用し、さらなる価値の創造を目指していきます。
    「大阪府グリーンボンド」への出資は、その一歩に過ぎません。これからも、環境、社会、経済の課題解決に向けた取り組みを進め、より良い未来を築いていくためのパートナーシップを大切にしていきたいと思います。

    *「大阪府グリーンボンド」

    https://www.pref.osaka.lg.jp/o050010/zaisei/kosai2/greenbond.html

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  • ヒロハノマンテマの巨大Y染色体における急速でダイナミックな進化 – 赤木 剛士 先生

    サイエンス誌(Science)に掲載された日本人著者からの日本語タイトルとコメントを紹介します

    ヒロハノマンテマの巨大Y染色体における急速でダイナミックな進化
    Rapid and dynamic evolution of a giant Y chromosome in Silene latifolia

    SCIENCE 7 February 2025, Vol 387, Issue 6734

    ヒロハノマンテマは1923年に植物では初めて性染色体が発見された種であり、100年以上に渡って世界中でこの植物種の巨大Y染色体の研究が続けられていました。今回の研究ではヒロハノマンテマとその近縁種群における高精度全ゲノム解読を行い、短期間のうちに巨大なY染色体が構成される進化過程の全容を明らかにすることに成功しました。

    赤木 剛士

    https://www.science.org/doi/10.1126/science.adk9074