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  • 応援メッセージ紹介

    ASCA創立30周年にあたり、多くの方から応援メッセージをいただきました。その一部をご紹介いたします。みなさまASCAとのかかわり方は異なりますが、これまでを振り返りいろんな思いを伝えてくださいました。


    株式会社H Y.T. 様
    設立30周年おめでとうございます。同業としてお祝い申し上げさせて頂きます。いつも勉強させて頂いております。定期的に交流をさせて頂きながら、一緒に業界を盛り上げていければと思っています。今度ともよろしくお願い致します。


    八楽株式会社 湯村 英美 様
    創立30周年、誠におめでとうございます!
    アスカコーポレーションの皆様のご努力により、ゆるぎないご盛業にあられますことは、大変喜ばしい限りと存じます。さらなる飛躍を心よりお祈りいたします。今後も翻訳ツールの発展に向け共に力を尽くしてまいりましょう。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


    日本特許翻訳株式会社 本間 奨 様
    ASCA様とは、Trados時代からのお付き合いで、Trados⇒Memsource(PraseTMS)⇒memoQと3つのCATをベースとしたシステムをご提供させていただきました。30周年は素晴らしいですね。弊社も来年でようやく10周年を迎えることになります。
    末永く、お付き合いさせていただきたいと思っております。今後ともよろしくお願い申し上げます。


    A株式会社 M.H. 様
    石岡社長
    30周年を迎えられるとのこと、誠におめでとうございます。
    様々なご苦労を乗り越えられてこられたと想像しますが、一代で会社をここまで運営されておりますことに、感銘を受けております。
    是非、今後も益々のご発展を祈念しております。ただ、お体には十分お気をつけ下さい。
    今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。


    M.M. 様【2005年登録】
    設立30周年おめでとうございます。私は設立10年の年から御社からお仕事を頂くようになりましたので、アスカの歴史の3分の2をご一緒させていただいたことになります。翻訳初心者だった私の拙い訳文に丁寧なフィードバックをいただいたこと、しばらくして大阪本社に呼んでいただき、初めてスタッフの皆様とお会いしてとても嬉しかったこと(今はベテラン社員の皆様もその頃は新人でいらっしゃいました)、勉強会で英訳のノウハウをご教示いただいたこと、どれも懐かしい思い出ばかりです。翻訳者を育てようというポリシーをお持ちの御社とご縁ができたからこそ、現在も翻訳者として業務を続けていられると感じています。心からの感謝とともに、御社の益々のご発展をお祈り申し上げます。


    M.K.様【2014年登録】
    30周年おめでとうございます。私がASCAでお仕事を始めた時期がちょうど20周年でしたので、ASCAの歴史の3分の1を共に過ごせたことを大変嬉しく思います。チェック未経験の私を親切に指導して頂き、時にはランチやイベントで社員の皆さんと交流させて頂いたお陰で、フリーランスという立場でありながらも、ASCAの皆さんと長い間、充実した仕事が出来ていることに大変感謝しております。これからもASCAの発展に微力ながらでも貢献出来ればと思いますので、よろしくお願いいたします。


    K. Wagner 様【2005年登録】
    I began translating Japanese technical documents into English in 1987, years before today’s level of information became available on the Internet.
    I would go to the library of the large research university in my town to do research for my translations. The university had a medical school and the engineering and science libraries had a US Patent Repository and ASTM, ASME, and other standards. I could find virtually every English-language document referenced in my Japanese texts and any other information I needed for my translations.
    In those days, it was also more difficult to work with Japanese companies from the US than it is now.
    However, times have changed. Translation work is often done on the cloud and almost all communication is done electronically. ASCA Corporation has remained at the forefront of these changes. These days ASCA provides virtually all of the documentation and terminology I need to complete my translations. ASCA’s Translator Pro translation engine provides guidance on the meaning of the texts. It rarely occurs to me to travel to a library to do research.
    ASCA Corporation, as well as Eiko Ishioka and the Somu staff in particular, have also helped achieve personal goals that do not relate directly to translation.
    I would like to congratulate ASCA Corporation on achieving 30 years of service to the health sciences community and thank them for the years of support that I have received.


    N.I 様【2008年登録】
    この度は創業30周年おめでとうございます。
    私は2011年初頭に貴社に登録させていただき、今日まで長期にわたり各種案件をご発注頂きました。
    この間、科学技術の進歩とともに医薬を取り巻く環境が劇的に変わり、同時に翻訳を取り巻く環境も大きく変わりました。しかし貴社に、お仕事だけでなく、ASCA Academyや勉強会など、変化についていくための学習の機会や、スタッフの皆様や他の翻訳者様と情報交換する機会をたびたび頂き、なんとかここまで業務を続けることができました。
    今後も変化し続けるであろう翻訳業界ですが、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。


    N.O. 様【2020年入社】
    30周年おめでとうございます。ASCAには新卒で入社をし、4年間お世話になりました。ASCAの先輩方より社会人としての心構えを教わり、大変感謝しております。これからもホームとして応援しております。今一度、おめでとうございます。


    皆様、本当にありがとうございました!
    皆様と協力しながら、そして、皆様のご期待に応えるよう、社員一同、これからも日々精進いたします。今後ともASCAをよろしくお願い申し上げます。

    30周年記念サイトは下記より

    https://www.asca-co.com/30th/future_index.html#section03

  • AIに対し、ポジティブなスタンスで

    豊富な医薬の知識と、高い翻訳力、語学力を備えた西村さんは、ASCA創設時からのトップ翻訳者です。そんな西村さんに、今回の翻訳祭の感想や、プロの翻訳者のこれからについてお話を伺います。


    Q: 翻訳祭に参加されていかがでしたか?

    A: 幼い頃にブラインドタッチをマスターして書くことに目覚めたという小説家の方のお話や、まさに文化の翻訳ともいえるお笑いの字幕の翻訳の講演など、とても楽しく、バラエティに富んだ翻訳祭でした。また、MTやAIの進歩のこと、業界の変化など、普段の仕事の中ではなかなか情報を入手するのが難しいですが、こういった様々な情報を聞くことができてよかったです。

    Q: MTやCATツールについてのお話もたくさん報告されていました。何か印象に残っていることはありますか?

    A: 昨今では、ポストエディット(PE)が主流になりつつあり、MTを活用することにより短時間で翻訳を仕上げることが求められてきていますし、この翻訳祭でもその流れがさらに強まっていることを感じました。PEで翻訳の手間が省けて翻訳者の仕事は楽になると一般的に思われているのではないかと感じます。ですが、翻訳者とは本来、言葉が好きで、自分なりに工夫をして言葉を紡ぎ出すこと、自分の言葉で文章を生み出すことにやりがいや楽しみを見出し、それを仕事としているのではないかと思いますし、自分自身もそのように感じてこの仕事をしています。時代の要求に応えながら、やりがいを持ち続け、自己研鑽を続けることが翻訳者にとっての今後の課題であることを再認識しました。

    翻訳祭では、阪本先生から、翻訳者の仕事の満足度に関する研究についてお話がありました。とても興味深く聞かせていただき、このような研究の内容が翻訳業界に一般的に広まるといいなと思いました。また、翻訳祭での他の翻訳者さんのお話の中でも、みなさんも同じように感じていらっしゃるということが分かり、自分と同じ立場で働く方々のお話を聞けるのはとても良い機会だったと感じています。

    これからの時代、たとえMTやPEがスタンダードになったとしても、特に医薬の業界では、読みやすい、誤解を招かない文章、より高い専門性が求められ続けるのではないかと思います。講演では、ChatGPTに文章の読みやすさを判定させたり、知らないことは知らないと言いなさいと教えたりなど、より能動的な働きかけをしているというお話もあり、AIの利用の仕方次第で、翻訳者が、より深い理解に基づく文章、理論的に齟齬がない文章にするために注力できる時間を増やすことができるのではないかと思います。そういったポジティブなスタンスで、これからの時代のお仕事にも対応していけたらと思っています。

    Q: ASCAの品質管理部に期待することはありますか。

    A: 納品後にクライアントからフィードバックやクレームがあった場合、その都度PMの方が個別にその案件に対応した翻訳者にフィードバックをしていただいていますが、自分が対応した案件についてのみフィードバックをいただくのではなく、ASCAに対して寄せられた様々な案件のクレームやフィードバックを全て集約して全翻訳者へ共有いただけると、いろいろなエラー等の事例を目にすることで自分自身の学びや作業時の注意喚起にもなりますので、そういった発信をしてもらえたらありがたいと思っています。また、クレームでは、抜け、数字の間違い、指定用語の不遵守、単語の誤認などが多いかと思います。案件ごとのデータ破棄がハードルになっているかもしれませんが、クライアントの了承が得られれば、CATツールの使用やTB/TMの充実によってこれらにより対処できる体制になるといいなと思います。

    翻訳者の西村さん

    西村さんのように、技術の進歩や市場のニーズにいち早く対応してくださるのは心強い限りです。MTやAIは、翻訳者にとってかわる存在ではなく、あくまで翻訳者のことをサポートしてくれるツールであり、最後に仕上げるのは翻訳者さん自身であるというメッセージをこれからも発信していきたいと思います。パートナーの皆様との情報共有についても、これから品質管理の一環として取り組んでいきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

    ASCAは一緒に成長できるパートナーの方を募集します。
    医学・医薬分野における翻訳・ライティング市場において、医学研究の進歩に伴う専門性の高度化への対応と、グローバル化に伴うスピードアップが求められています。ライフサイエンス分野におけるTotal Solution Provider No.1を目指すASCAのビジョンを達成するために、ASCAとともに成長していける方を求めます。

    https://asca-co.com/recruit/partner.html

  • 変化に対応する力が必要

    日頃よりたくさんのクライアントの案件に対応してくださっているベテランチェッカーの川合さんに、今回の翻訳祭の感想や、日頃の業務についてお話を伺いました。


    Q: 今回、弊社佐藤と関西大学 阪本先生とのセッション「AIと翻訳の融合:翻訳者に期待する新たな挑戦と機会」がありましたが、内容についてはいかがでしたか。

    A:アンケートの結果に共感する部分が多くありました。特に、他の人々も同じような不安や悩みを抱えていることがわかり、安心しました。機械の発展による不安や、お金とやりがいの間で感じていた複雑な状況を言語化してくれたことが印象的でした。佐藤さんからチェックの機械化を進めているという話を聞き、自分の仕事が今後どのように変わるのかを考えさせられました。自分の仕事を守っていくだけではなく、変化に対応する力が必要だと強く感じました。現在、人力で行っている仕事が多い中で、これからどのように変わっていくのかなと思っています。

    Q: 九段さんのセッションで印象に残った点はありますか。

    A:フリーランスとしてルーティンのプロセスを大切にしている姿勢が素晴らしいと感じました。特に、ジムで体に向き合うことで他人の評価や意見を気にせず、自分自身に集中できるという話に共感しました。日常生活で色々と考えてしまうことがあるので、筋トレなどでストレスを解消していきたいと思いました。また、文章を書く際にリズムを第一に優先するという話は、翻訳においても読みやすさや長さを考慮することがあるので共感できました。ただ、実務ではクライアントのレビューで文章がかなり変更されることもありますので、なかなか難しいところではあると思います。

    Q: 九段さんのセッションの中でターニングポイントのお話がありましたが、川合さん自身のターニングポイントについて教えてください。

    A: ①『赤毛のアン』に憧れたこと、②翻訳の中で人命に関わる部分で役に立ちたいと思ったこと、③前職で文書をまとめたり管理したりすることが得意だったこと、④出産を機に在宅での仕事を考えたことが挙げられます。これらの経験が現在の仕事につながっていると考えています。

    Q: 他の参加者との交流で印象に残ったエピソードがあれば教えてください。

    A: ASCA翻訳者の西村さんとお会いした際に、業界の変化についてお話したことが印象に残っています。20年くらい同じだった業界が、ここ5年から10年で急速に変わってきていると感じています。特に、機械翻訳の進化が大きな課題となっており、これにどう対応していくかが重要だと考えています。また、ASCAの社員の方々とも顔を合わせて話す機会があり非常に有意義でした。今は在宅勤務に慣れましたが、コロナ前は週1で出社していたときもあり、再び出社することもいいかもしれないと感じることもあります。

    Q: ASCAの品質管理部に期待することはありますか。

    A: チェック未経験者が出社して学べる機会があると良いと考えています。慣れるまでには時間がかかるため、1年くらいは通って学ぶことができる環境があると良いと思います。また、AIやmemoQなどの技術の変化が多いため、継続的にご依頼いただく案件では年2回程の情報共有の場がありますが、単発案件でも共有の場があると良いと感じています。継続的な案件ではなくとも、ご依頼頻度の高い案件もあるため、気になっていることやルールの共有ができる場があれば、よりスムーズに業務を進められると考えています。

    チェッカーの川合さん

    コロナ以降、対面でお話したり、お仕事をしたり、といった機会が減ってしまいましたが、今回はリアルで講演を聞いたり、他の翻訳者や社員と交流したり等、コミュニケーションできる機会がたくさんあり、私たちにとっても大変有意義な時間となりました。これからも、情報共有やトレーニング等、皆さんと直接コミュニケーションがとれる機会を徐々に増やしていきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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  • AI活用、仕上げるのはあくまで翻訳者

    医薬以外の分野にも幅広く対応いただけるASCAの人気翻訳者さんに、翻訳祭について、また日ごろの業務についてお伺いしました。


    Q: 翻訳祭に参加されていかがでしたか。

     A: 翻訳祭には初めて参加しました。memoQのスポンサーセッションに参加したのですが、いろいろと便利な機能について説明があり、特にAGT*という新しいサービスは、今まで人手でやっていた作業をAIがやってくれるということで、もちろん精度の確認は必要ですが、ぜひ使ってみたいと感じました。

    *https://www.memoq.com/ja/integrations/memoq-agt

    memoQ Day Tokyo 2024参加リポート|ASCA Bulletin|アスカコーポレーション

    Q: ASCAの講演でもAIについてお話しさせていただきましたが、翻訳にAIを取り入れることについてはどのようにお考えですか?

    A: 翻訳者の立ち位置や考え方次第ではないでしょうか。例えば私たち医薬業界などスピードが求められる世界ではAIはとても便利なものですし、効率を上げて量をこなしていくためには、なるべく人間の作業を減らす必要があり、AIは使用すべきだと思います。

    一方で、AIを活用していくためには、AIの適否を判断する能力をきちんと持たなければなりません。AIの役割が何なのか、翻訳者の役割が何なのかを明確にする必要があると思います。翻訳者がAIを信じ込んでAIに合わせてしまったら元も子もありません。作業のどの部分にAIが使えるのか、AIのどこが正しく、どこが誤っているのかを見極めて、仕上げるのはあくまで翻訳者であるという意識を持つべきだと思っています。

    Q: 普段の案件ではMTやCATツールを活用いただく機会が多いと思いますが、MTやCATツールについて感じているメリット、デメリットを教えてください。

    A: 現在対応している案件ではCATツールの使用を求められることが多いですが、CATツールは本来翻訳作業の効率化を目的としているにもかかわらず、それが使いこなせないためにかえって時間がかかってしまうことがあります。例えば、QAをかけたときに大量のfalse positiveが発生して、それをつぶすのに時間を要したり、false positiveが多い影響で本当のエラーを見落としてしまったりすることがあります。もちろんQA設定を最適化すれば解決できるかもしれませんが、その最適化方法を今ひとつ理解できていないということがあります。CATツールを使いこなさなければならないのは翻訳者ですが、使いこなすための情報発信などがあればとても助かります。

    また、ある案件では、CATツールで作業するにもかかわらず、参考資料がTMなどとして提供されないというケースがあり、実際に参考資料に合わせきれずにクライアントから指摘を受けたことがあります。参考資料は、TMやTBあるいはライブ文書としてCATツールに組み込むと参照がしやすくなると思うのですが、参考資料についてだけWordを目視確認しなければならないとなると、結局そこに余分な時間が割かれてしまいますし、人力で検索するには限界もあります。そうなると、納期は短い、人手作業は増える、ミスは追及される、という状況になり、翻訳者としては大変苦しいと感じます。CATツールのメリットを最大限に活用し、人手で行う作業を最小限にする環境を作っていただけたら有難いと感じます。

    Q: ASCAの品質管理部に期待することはありますか。

     A: どんな案件でも、求められる品質がより明確化されていると翻訳者も作業しやすいのではないかと思います。例えば、訳語については文書内の一貫性を優先するのか、それとも過去の文書との一貫性が重視されるのか、といったことです。また、エラーが発生した場合に、翻訳者1人1人に対策を求めるのももちろんですが、たとえ短納期だとしても今までと同等の品質が求められるので、限られた時間の中でエラーを最小限にするためにどのようなプロセスをしくのか、翻訳会社としての役割を明確にしていただけたら心強いと感じます。


     AIやCATツールの活用方法、求められる品質の明確化、どれも翻訳の品質を考えるうえで大変重要な要素だと思います。貴重なご意見を受け、これからも品質向上に取り組んでいきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

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  • AIは組み合わせて、使い方を工夫

    論文や非臨床分野を中心に活躍されているベテラン翻訳者の飯田さんに、今回の翻訳祭の感想や、これからの仕事についてお話を伺います。


     Q: 翻訳祭に参加されていかがでしたか?

    A: 翻訳祭に参加するのは5、6年ぶりなのですが、コロナ前に参加したときは実地開催だったため、翻訳者をはじめとする人との出会いが多くありました。今回はオンデマンドがメインになっていたため心配はありましたが、思っていたより会場での参加者が多く、金沢という遠い場所にもかかわらず、何人かとお知り合いになれて良かったです。

     Q: 今回、弊社佐藤と関西大学 阪本先生とのセッション「AIと翻訳の融合:翻訳者に期待する新たな挑戦と機会」がありましたが、内容についてはいかがでしたか。

    A:すでに知っている内容もありましたが、会場の雰囲気からASCAさんは翻訳者を大切にしてくれている会社だという印象を受けました。MTはあくまで作業を効率化するための参考資料のひとつであり、ポストエディット(PE)にも従来と同じ品質レベルが求められることから、PE=翻訳であるという方針には共感しました。PEは人手翻訳とは別物と考え、納期や料金を設定される会社さんが多い中でユニークな試みだと思います。効率が上がり、翻訳者が引き受けられる量が増えるという面ではwin-winの関係だと思うので、こういった方針でお仕事を依頼してくださるのは嬉しいです。

    真っ白な状態から自分で文章を作るのとは違い、PEでは間違いがあるかもしれない文章の間違いをまず探す工程と修正してちゃんとした日本語にする工程があるので、苦しい作業でもあります。ですが、機械翻訳の結果が参考資料として提供されるなら、用語調べにも役立ちますし、非常に有効です。

    阪本先生の研究の発表では、日本だけではなく海外でも同様に、PEは単価が下がり苦しい思いをしているというお話があり、どこの国でも翻訳者が同じことを感じているのだなと実感しました。

    Q: 参考資料としてMTを活用することについてどう思いますか。

    A: MTを参考資料として使うことは非常に役立つと思います。ASCAさんのMTの結果は非常に精度が高く、参考資料として非常に有用です。専門知識があればスラスラと翻訳できるかもしれませんが、私の場合は参考になる文章があると非常に助かります。

    Q: ポストエディット(PE)の仕事についてどう思いますか。

    A: PEは、使う脳が翻訳と違って非常に疲れる作業です。井口さんのセッションでも触れられたように、翻訳の仕事が減少し、MTPEが主流になる中で、翻訳にこだわっていると収入が減る可能性があります。大きな挑戦ではありますが、できれば翻訳を中心にしたいと思います。

    Q: 他に印象に残ったセッションはありますか。

    A: 九段さんの話が非常に面白かったです。日本語の使い方に非常にセンサーのある方で、筋トレを毎日していると忘れた頃に効果が出ると信じている、という話が印象的でした。ASCAさんのMTの性能評価を5、6年前に行った際は、文章がボロボロでMTは全然使えないと感じましたが、今は精度が上がって、医薬にも特化しているので、非常に使いやすいと感じます。以前からコツコツしてきたことが、忘れた頃に出てくるというのを、ASCAさんの仕事を通して共感しました。

    Q: AIやMTの活用についてどう思いますか。

    A: メディカルライティングの講座で、Chat GPTを使って文章をブラッシュアップすると素敵な英文になるという話を聞きました。MTよりもChat GPTの方が難しい表現を助けてくれるかもしれません。別の講座でも、「今のAIはすごく使いやすい。必ず正しい答えは出ないけど、日本人の英語がすごく良くなっている」という話がありました。AIは使い方を工夫すれば論文作成にも活用できると思います。

    また、翻訳ミニコンテストの課題に取り組む際、実際にChat GPTを試してみたのですが、組み合わせて使うことで効果を感じました。英語を入力して日本語を出力するのもChat GPTなら簡単にできるため、日常的なものなら特に使いやすいと思います。

     Q: 参加者の方と、どのような交流がありましたか。

    A: 交流パーティーには初めて出席したのですが、たまたま隣に居合わせた方が翻訳検定一級で表彰される方で、お話するチャンスがあり、一級合格のコツについて質問することができたのですが、過去問を解くことが重要で、必ず全文回答することが大切だと学ぶことができました。他の一級合格者の方ともネットワークが広がりました。

     Q: ASCAの品質管理部に期待することはありますか。

    A: 翻訳者のスケジュール管理には気を配っていただけると有難いです。お仕事の打診をいただいた際は、その時点で日程を確保するようにしています。ですので、そのお仕事の正式な決定について速やかにご連絡いただけると、次の依頼を受けるかどうか判断できるため有難いです。私自身も、対応可能/不可能な日程や対応可能量などを明確にお伝えすることでスムーズにご依頼いただけるようにできればと思います。


    翻訳祭では普段なかなか触れるチャンスのない様々な意見や情報に触れ、ネットワークも広がったようで良かったです。スケジュール管理は、翻訳者の皆様が時間を有効に使ううえでとても大事な翻訳会社の役割だと思いますので、注意していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

    ASCAは一緒に成長できるパートナーの方を募集します。
    医学・医薬分野における翻訳・ライティング市場において、医学研究の進歩に伴う専門性の高度化への対応と、グローバル化に伴うスピードアップが求められています。ライフサイエンス分野におけるTotal Solution Provider No.1を目指すASCAのビジョンを達成するために、ASCAとともに成長していける方を求めます。

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  • 【無料オンラインセミナー開催!】「論文執筆をスピードUP:マクロ・ミクロライティング術」

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    【セミナー詳細】

    • 日時:2025年1月22日(水)16:00-17:00
    • 形式:オンライン(Zoom)
    • 参加費:無料(事前申し込みが必要です)
    • 講師:布施雄士(メディカルライター)
    プロフィール:
    1987年生まれ 群馬県出身
    2012年 北海道大学 獣医学部 卒業
    2014年まで 動物用医薬品の研究・開発に従事
    2018年 筑波大学大学院 生命システム医学専攻修了
    2018年~メディカルライターとして活躍

    【参加方法】

    事前申し込みが必要です。以下のリンクからお申し込みください。
    https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_KPvUf5UkRBS81iPI6ekjWQ

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    お申し込みはこちらから!

    https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_KPvUf5UkRBS81iPI6ekjWQ

  • 【1月23日(木)】メディカル分野でも使える生成AIアプリ「GenTA」のご紹介

    株式会社アスカコーポレーション(以下、ASCA)は2024年12月1日に生成AIアプリ「GenTA」を正式リリースいたしました。
    2025年1月23日(木)にGenTAのリリース記念製品説明Webinarを開催いたします。
    是非ご参加いただけますと幸いです。

    開催概要

    開催日時:2025年1月23日(木) 13:30-14:30
    開催場所:オンライン(Zoom Webinar)
    参加費:無料
    お申込みhttps://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_HX3p8FtrStaD7SOkSTYYPw#/registration  

    お申し込みは下記URLより

    https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_HX3p8FtrStaD7SOkSTYYPw

    Webinar内容

    GenTAの機能を徹底解説:
    GenTAのさまざまな機能や導入メリットをご紹介します。
    実演デモで操作感を体験:
    GenTAの実際の操作画面で、シンプルで直感的な使い方をご覧いただけます。
    業務に合わせた活用法:
    Bot機能でどんな業務が効率化できるのか、リアルなシナリオをご覧いただけます。
    開発者メッセージ:
    開発の経緯や今後のAI技術に寄せる期待などをお話しします。
    Q&Aセッション:
    事前質問も受付中です。

    登壇者

    野田 典弘 氏
    合同会社NODATECH 代表
    外資系翻訳会社、内資系翻訳会社での勤務を経て現職。
    大田区南六郷創業者支援施設『六郷BASE』を拠点に、翻訳業務の効率化を目指した機械翻訳や言語処理ツールの技術支援などに取り組んでいる。

    早川 威士
    株式会社 アスカコーポレーション 開発部 ML/NLPスペシャリスト
    機械翻訳を用いた翻訳システムの開発に従事。機械翻訳の精度評価や分野特化型モデルの構築にも取り組む。第18回AAMT長尾賞共同受賞。

    GenTA HP

    https://www.asca-co.com/special/genta/

    過去のWebinar情報は下記より

    https://note.asca-co.com/m/mfc7ae1f55f29

  • パートナーと共に歩むASCAの忘年会 ―感謝の気持ちを込めて―

    年末のこの時期、私たちアスカコーポレーションでは、例年、日頃お世話になっているパートナー様(翻訳者、チェッカー、ライター、レイアウト担当の方等)を招待して忘年会を実施しています。

    この忘年会を通し、まずは日頃の感謝を伝え、通常は電話やメールで連絡するだけなので、この機会に直接顔を合わせてお話をし、パートナーの皆様との関係を深めるのが目的です。

    今年はASCA30周年特別企画として、「しながわ水族館」を貸し切った忘年会を実施しましたが、この記事では、今までの忘年会についてもここに紹介させていただきます。

    ASCAの忘年会について

    会社を設立してから毎年、パートナーさんを交えて何らかの忘年会を開催するのがASCA流。東京支店ができてからは、東京と大阪、それぞれ近くのレストランを貸し切り、社員がパートナーさんをもてなし、クイズあり、芸披露あり、講演あり、様々な趣向で盛り上げてきました。

    2020年から4年間、コロナ禍の影響でオンラインでの忘年会を実施。

    今までは、近隣のパートナーさんしか参加できなかったですが、オンラインに切り替えたことで、国内外、いろんなエリアの人も参加が可能になり、講演やクイズ、プロピアニストによるピアノ演奏やbreakout sessionでの情報交換会など、様々な企画で盛り上げました。

    どんな形であっても、パートナーの皆様へ感謝を伝える忘年会はパートナーさんとの関係を強化するための重要な機会です。

    過去のオンライン忘年会、こんな楽しい企画でした。

    ■2020年

    本邦初?”オンライン忘年会”開催! | お知らせ | トピックス | 医薬翻訳のアスカコーポレーション

    ■2021年

    https://www.asca-co.com/blog/report/entry20211227181003.html

    ■2022年

    https://note.asca-co.com/n/n17e4c8741e9f

    ■2023年

    https://note.asca-co.com/n/nf2f8789498b5

    今年は、しながわ水族館へ!

    コロナが開け、今年はなんと、しながわ水族館を貸し切って、夜の水族館にて忘年会を実施しました!
    普段は昼間に訪れることが多い水族館ですが、この日は特別に夜の時間帯に貸し切り、幻想的な雰囲気の中でのイベントとなりました。

    当日のイベント詳細については、ぜひ下記の記事もご覧ください!
    (当日の雰囲気を感じられる動画もご覧いただけます!)

    https://note.asca-co.com/n/na1ed799caf6f

    まとめ

    ASCAにとってパートナーはとても大切な存在です。

    だからこそ、こうした取り組みは、ASCAとパートナーの関係をさらに深めていく大事な機会だと考えます。

    来年もユニークな企画を考えております。

    これからもASCAはパートナーと共に、強く、成長を続けていきたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。

    採用情報について

    ASCAでは、日頃よりASCAのメンバーとして活躍して頂ける方を募集しております。ご興味をお持ちいただいた方は、ぜひ下記よりお問合せください!

    【社員募集はこちら】

    https://www.asca-co.com/recruit/index.html

    【パートナー募集はこちら】

    https://www.asca-co.com/recruit/partner.html

  • Breakthrough of the year 2024:新しいメカニズムを持つ注射型HIV薬が感染予防に効果!もうHIVは怖くない?

    Scienceが今年一年の最も画期的な科学の研究成果として、HIV予防に効果のある薬剤の開発を選んだ。
    HIVは毎年100万人以上が感染し、ワクチン開発は依然として難航している。しかし、今年、最良の選択肢となるかもしれない注射型薬が開発された。この薬は、1回の注射で6ヶ月間の感染予防効果を持つという。
    アフリカの若い女性を対象とした大規模な有効性試験では、HIV感染がゼロになったという驚異的な結果が報告され、3ヶ月後には、4大陸で行われた同様の試験でも99.9%の有効性が確認されたという。HIV/AIDS研究者は、「レナカパビル」を予防薬として使用することで、世界的な感染率を大幅に低下させる可能性があると期待している。

    HIV治療は、かつての恐ろしい状況から大きく進展した。1996年には、強力な薬のカクテルがHIVを完全に抑制し、エイズの発症を防ぐことを可能に。今回注目されている、抗レトロウイルス薬レナカパビルの場合はさらに優れており、多くの人々が慢性疾患として管理可能な状態で通常の寿命を全うできる。治療を受けた人々は、ウイルスが抑制されている限り、他者に感染させることもほとんどないという。

    2021年には、2ヶ月ごとの注射が必要な薬剤「カボテグラビル」が市場に登場したものの、高コストや関心の低さが課題だった。HIVの患者数を2030年には20万人未満にする目標からは遠く離れているものの、レナカパビルを使った南アフリカとウガンダでの盲検試験では、注射をした患者の中でHIV感染者は一人もいなかったというから効果は大きい。まさに2024年のBreakthrough of the yearに選ばれる研究の成果である。

    日本では、血友病の治療に非加熱の血液製剤を使ったことでHIVに感染した患者や家族が1989年に国と製薬会社を訴え、薬剤エイズ訴訟として大きな社会問題になった。1995年には川田龍平氏が未成年でのHIV感染を実名で公表。その製薬企業がASCA本社の近くにあり、彼の街頭演説や、会社を囲む抗議の人たちの姿をいまだにはっきり覚えている。

    かつてHIVは感染したら死を迎えるだけ、という恐ろしい疾患だった。
    それが今ではその恐怖から逃れることができる。
    日本ではあまり取り上げられることはないが、患者数は増えているという。
    今回の研究成果で多くの命が助かるとしたら、その効果は計り知れない。

    その他、以下のようなトピックも成果として選んだ。
    その他の画期的な研究
    (Runners-up)
    ・  Unleashing immune cells on autoimmune disease
    ・  JWST probes the cosmic dawn
    ・  RNA-based pesticides enter the field
    ・  Organelle discovery adds an evolutionary twist
    ・  A new type of magnetism emerges
    ・  Multicellularity came early for ancient eukaryotes
    ・  Mantle waves sculpt the continents
    ・  Starship sticks the landing
    ・ Ancient DNA reveals family ties

    課題として以下の4トピックも上げている
    (Breakdowns)
    ・  Lessons not learned from COVID-19
    ・  Science as collateral damage
    ・  Psychedelic therapy hits a snag
    ・  Environmental negotiations flounder

    コロナ禍による教訓が生かされているのか、ロシアとウクライナの戦争による科学施設の破壊や研究予算のカット、また、向精神薬の開発の難しさ、気候変動などへの世界的な取り組みの遅れなど、まだまだ科学界では多くの課題が山積である。

    来年はどんな研究成果が生まれるのか?

    原文は以下から読んでほしい。
    Science’s 2024 Breakthrough of the Year: Opening the door to a new era of HIV prevention | Science | AAAS

  • Breaking through the blood-brain barrier:希少疾患治療につながるJ-Brain Cargo®の可能性

    Science12月13日号に「Breaking through the blood-brain barrier」というタイトルで、ライソゾーム病の治療につながる画期的な技術に関する記事が報告されました。

    神戸に本社を持つJCRファーマ株式会社が開発した「J-Brain Cargo」(血液脳関門通過技術)を使えば、医薬品の有効成分を中枢神経に届けることができます。希少疾患であるライソゾーム病の患者の多くに見られる発達障害や言語障害を起こす脳の中枢神経症状の改善を目指し、ヒトでの血液脳関門通過を実証したという素晴らしい成果です。

    希少疾患の治療法は限られています。特に、脳に影響を与える病気は、血液脳関門の存在により、治療が難しい課題となっています。しかし、「J-Brain Cargo」と呼ばれる技術が登場し、治療分子を静脈注射によって脳に届けることが可能になりました。その「J-Brain Cargo」を利用した新たな遺伝子治療技術である「JBC-AAV」は、応用範囲が広く、希少なライソゾーム病のような神経疾患類に対して、機能的療法を提供することが期待されます。

    JCRファーマの取締役専務執行役員研究本部長の園田啓之氏によると、世界中に稀少疾患で苦しむ患者は20人に1人以上いるにも関わらず、製薬企業は投資してきませんでした。患者数の多い疾患と違い、稀少疾患については会社が研究開発を止めたら患者さんは命綱を切られることを意味します。だからそこJCRファーマは、小児期に神経変性を引き起こし、早期死亡の可能性がある症状を引き起こす希少な遺伝性疾患であるライソゾーム病の研究に長く取り組み、画期的な技術であるJ-Brain Cargoの開発につながったと。

    JCRファーマは、さまざまな治療用酵素を備えたJ-Brain Cargoを使った様々な臨床試験を行っています。JCRファーマは世界中の複数の企業と提携して、さまざまな神経疾患の治療法を開発。 JCRファーマは今後、脳、眼、筋肉、さらには骨格など、今まで治療が困難だった器官に自社の技術が効率的に使えるか検討しているという。

    創立50周年を迎えた同社は、満たされていない医療ニーズに応えることをミッションにしています。この記事を読み、希少疾患を超えた神経学的適応症に取り組む世界的なパートナー探しにつながることを願っています。

    詳しくは原文を読んでほしい。
    https://www.science.org/content/article/breaking-through-blood-brain-barrier
    JCRファーマ:
    https://www.jcrpharm.co.jp/lysosome/index.html